センター事業団 松戸地域福祉事業所あじさい (千葉県松戸市)
あじさいでは、障がいがある人、高齢の人、ニートや引きこもりの経験のある若者が、それぞれ自分の役割を持ち、支え合って一緒に働いています。
自分らしく働けるように
Mさんは精神障がいの疾患である統合失調症で、障害者手帳を持っています。2012 年、彼女はあじさいのデイサービスでボランティアを始め、介護資格をとることができました。その後職員として週に一回働くようになり、今はほぼ毎日、介護やリネンの仕事で一生懸命働いています。
「あじさいで働くことは、とてもやりがいがあります。職員さんもみなさん優しく、仲間として一緒に介護の利用者さんのケアをさせてもらってます。利用者さんが笑顔になったり、『また来るね』と言って帰られるとうれしく思います」と彼女は話しています。
彼女は今、10 万を超える工賃をもらっています。生活保護受給をやめることが目標です。
一人ひとりに役割がある
組合員は誰が何をすればいいか、どんなことができるのか、どう教えれば成長するか、ごく自然に、模索しながら働いています。なので、彼らにできることが増えると本当に喜ぶし、自分たちも彼らの成長している実感を得ることで元気になっています。
介護の利用者さんたちも、若い彼ら・彼女らが現場に入ることで、やはり元気になったりします。一緒にゲー
ムをしたり話しをしたり……。話しをしたい利用者さんはいっぱいいます。自分とゆっくり話しをして、笑って
くれる、共感してくれる。とてもうれしい存在だったりします。
誰もが働ける職場と地域を、自分たちでつくる
今のあじさいの仕事内容は、介護業務、清掃業務を中心に、松戸市からの委託事業の緑化作業、配食の運転業務や内職、小物作り、事務補助、梅干作りや販売などです。
利用者の思いを受け、その人にできる仕事は何か、どんな仕事ならできるのかと考え、なければつくってきました。一人ひとりが得意分野をもっています。全員が同じ仕事ができるのではありません。しかしそれぞれが役割をもっているのです。誰もが自分の役割があって、活躍できる。そんな職場と地域をこれからも皆でつくっていきます。
(所長 小林文恵)