地域と共に育つ子どもたち:恐るべき赤ちゃんパワー!

 

センター事業団 坂戸地域福祉事業所いきいき(埼玉県)

 

親も子も、誰でも一緒の場を


 坂戸いきいきは2006年に開所した介護事業所です。自分の家にいるような穏やかに過ごせる通所サービス、家族の不安までまとめて面倒を見る訪問サービスを長く行ってきました。

 そんな中、2016年に、保育士の白井さんとの出会いがありました。「障がい児も健常児も一緒の場、そして子育てしているママたちが気軽に遊びに来られる場を作りたい」という思いを聞きました。市の担当課に相談に行くと、実は1歳児63人の待機児童がいることを知り、「やるしかない!」と思いました。

 

みんな、赤ちゃんパワーにやられています


 なにせ介護事業と保育事業の併設です。不安の声も多かったです。「保育??声がうるさいんじゃない?」「介護事業の利用者が減ったらどうするの?」「経営がそんなに良くないのに、事業増やして大丈夫?」などなど。

 でも、そう言っていたみんなも赤ちゃんパワーにやられています。
何よりも、通所に来ている高齢者の笑顔が違います。笑わない人まで笑っています。

 

ハイタッチから始まる朝


 朝、にぎやかな声が聞こえて、デイサービスの高齢者が「おう元気だな~!」と笑顔になります。
お散歩に行く前には、必ず「おはよう」の挨拶としてハイタッチにやってきます。そうすると大きい手と小さな手が重なって、みんなの笑顔が満開になります。初めはしかめっ面していた方も、今ではしっかりタッチしています。子どもの力は偉大です。

 ポレポレ保育室の「ポレポレ」は、スワヒリ語で「ゆっくり、のんびり」という意味。地域の皆さんもお散歩に行くと声をかけてくれます。子どもがいるだけで地域も明るくなります。子どもたちの成長を、ゆっくり、のんびり見守ってくれています。

 

(所長 石橋妙子)