絵を通して人と出会う、人とつながる

 

みなと保育サポート東麻布「ほくぽアート」(東京都港区)

 

 東京タワーのすぐ近く、高層ビルやマンションが立ち並ぶ中、東麻布商店街近くの下町の雰囲気が漂う地域に、みなと保育サポート東麻布はあります。港区からの委託で運営をしており、一時預かりと定期利用の機能を併せもった、0歳児から5歳児までが利用する施設です。旧校舎という立地のため校庭も広く、子どもたちがのびのびと遊べる環境になっています。

 

一緒に描く、「ほくぽアート」がはじまりました

 みなと保育サポート東麻布では、2017年から毎月「ほくぽアート」という活動を行っています。「ほくぽアート」は、みなと保育サポート東麻布の子どもたちと、サポート東麻布の非常勤職員で芸術活動に取り組んでいる、彩さんとのコラボアート活動です。ほんとうに小さな子どもたちがそれぞれの感性を自由に表現し、さらに彩さんの感性をミックスさせて作品を作り上げています。

 

表現する楽しさを子どもたちと

 彩さんは、小さい時の病気が原因となり、手を動かすことができません。大学時代に油絵の先生から教わり、口を使い、自分で絵を描くようになり、今ではサポート東麻布で働く傍ら、個展などで作品の発表も行っています。

 

(彩さん)「ほくぽアート」をはじめた頃は、絵の具に慣れていない子どもが多く、私が行っても、子どもたちは「誰だろう?」という顔。活動を重ねる内にだんだんと、私=絵を描ける!と思ってくれるようになり、「今日「ほくぽアート」する?」「ほくぽアートの先生だ!」と、子ども達から話しかけてくれるようになりました。

 子どもたちには、絵を描くことを難しいものとして捉えてほしくなく、「その時が楽しかった!」と思ってもらえれば良いと思っています。私にとって絵を描くことは、外に関わっていくことそのものです。絵を通して、子どもたちとつながれたときに楽しいと思うし、表現することで、人とつながることの楽しさを、子どもたちにも感じてもらえたらと思っています。


(彩さん)「ほくぽアート」で工夫している点は、子どもたちが描いたものを、描いて終わりにするのではなく、さらに絵を足して形にしていくことで、子どもたちや家族の方が、「最後にどういったものが完成するんだろう」という楽しみができるようにすることです。

 今後は、より多くの方に、「作って終わりではなく、ひと工夫することで面白い作品ができる」ということを知ってもらえる機会を作っていきたいです。

 

自由におもいっきりアートを楽しむ子どもたち

 「ほくぽアート」の活動について、施設長の大澤さんはこう話します。

(大澤さん)「ほくぽアート」は、子どもたちにとって2つの意味があると思っています。ひとつは、「自由に、表現する場」であること。家ではなかなかできない活動で、絵の具が床や壁に飛んじゃっても、「だいじょ~うぶだよ!」。自由におもいっきり、表現してほしいと思っています。もうひとつは、彩さんの存在です。子どもたちにとって、彩さんは「ほくぽアートの人」。障がいがあるかないかは全く関係なく、かかわっています。

 今年で3年目になる「ほくぽアート」ですが、毎年少しずつ形を残しています。1年目は「ポストカード」、2年目は「カレンダー」と「絵本」を作って、保護者の方にプレゼントしました。そして今年は、保護者の方にも、子どもたちと一緒に「ほくぽアート」を楽しむ企画を考えています。

 

(協力: みなと保育サポート東麻布「ほくぽアート」 岡部彩さん、大澤喜代美さん)