いぶりがっこで社会とつながる

センター事業団 大仙地域福祉事業所いぶりん
(秋田県大仙市)

 大仙地域福祉事業所いぶりん(以下いぶりん)は、秋田県大仙市にあります。その名の通り、秋田県の名産「いぶりがっこ」の生産・販売事業がとても盛んです。今回は所長の加藤雅代さんに、いぶりがっこの生産風景について伺いました。

大根、畑、肥料・・・プレッシャーだらけのスタート

 2016年8月、私はそれまで勤めていた仕事を辞め、ワーカーズコープで働き始めました。いぶりんには、2017年の開所時から関わっています。

 いぶりんで中核を担っているのが、いぶりがっこの生産と販売です。全国のワーカーズコープに秋田を知っていただくためのひとつとして、また、利用される方の工賃の糧となる事業として、前身の事業所から引き継ぎました。

 引き継いだ当初は、さまざまなプレッシャーから、ため息をつく日々が続いていました。大根の種類は何がいいのか、適した畑は、肥料は、種まきや耕起時期は……などなど、農作業のことは知らないことだらけの状態からのスタートだったのです。

知らないからこそ沢山の人の手を借りて

 しかし、何も知らないことは、逆に武器にもなるんだなと感じます。手探り状態の私たちが困難にぶつかる度に、沢山の方々が手を差し伸べてくださいました。

 大根を育てる畑をどうしようかと悩んでいると、知り合いが「近所に空いている畑があるよ!」と教えてくれました。
 耕起に困っていると、お借りしている畑の持ち主が「畝作りをするのは大変だから、自分も使うから」と、専用の機械を購入してくれました。種まきの機械はJAから無料でレンタルをして、利用者さんと一緒に種まきが楽に行えています。