第41回定期全国総会を開催しました

2020年6月19日に日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会・第41回定期全国総会、20日に法制化特別合同企画を開催いたしました。

去る6月12日に「労働者協同組合法案」が衆議院に提出され、労働者協同組合の法制化に向けて組合員一同、気持ちを新たに運動・事業の発展に向け心をひとつに取り組むことを確認し合いました。

法案の提出に向けご尽力いただいた議員のみなさまから、そして国際協同組合同盟(ICA)や労働者協同組合の国際組織であるCICOPA等の海外の協同組合関係者のみなさまからもたくさんのお祝いメッセージをいただきました。

国際協同組合同盟(ICA)アリエル・グアルコ会長からのビデオメッセージ

 

今年の総会は初めてのオンライン総会となりましたが、総代86名中79名が参加し(書面議決含む)、全国160箇所以上の拠点とオンラインで繋がり、これまで以上の多くの仲間が参加する盛大な総会となりました。

連合会本部のようす

 

総会にて決意した総会アピール文を紹介します。


 

日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 第41回定期全国総会アピール

今総会は、新型コロナ禍の中、全国の仲間が集まることができず、Webを通じての開催となりました。
まずなにより、昨年の千葉、長野での豪雨・台風災害や今般のコロナ禍において、自らがことを決する覚悟を決め、利用者、家族や地域との信頼関係の中で、命と暮らしを守るべく奮闘している加盟組織の全組合員に心からの敬意を表します。
総会では、協同組合の連携で取り組んだ全国協同集会、不退転の決意で臨んだ経営改革、生活困窮、外国籍などの困難を抱える人とのみんなのおうち、協同の現場づくり、保護者の思いを受け止めた仕事おこし、さらに、農を中心にした複合的な事業や、若者たちの社会的企業への挑戦などの多様な実践に、この1年の運動、事業の深まりを感じることができました。

6月12日、私たちが20年来求め続けてきた、労働者協同組合法案が全党・全会派の賛同をもって衆議院に提出され、法制化が、いよいよ今度こそ、実現する時を迎えました。
法制化により、「出資」「意見反映」「従事」の3つを「基本原理」とし、「準則主義」により、「いつでも、だれでも、どこでも」協同組合を立ち上げることができるようになります。
この法律への社会からの期待が高まる中で、労働者協同組合のよい仕事の実践と、法制化の意味や可能性を、地域や自治体に伝えることが求められています。労協連の総路線として、協同労働プラットフォームの設立を進め、新しいワーカーズコープづくりを主導する運動を全国各地で進めます。

世界は今、人類史、地球史的な危機のさなかにあり、今後10年の私たちの行動が、人類の存亡を決定づけると言われています。 私たち労協連は今年1月、SDGsの主体者・推進者として「環境・気候非常事態宣言」を発し、大量生産・大量消費・大量廃棄を是とする経済システムからの転換を決意しました。この宣言の具体化に向けた行動が求められています。
また、コロナ禍で加速化した、貧困と孤立、排除へと向かう流れを断ち切るためには、困難な状況にある人たちを受け止め、地域に暮らすさまざまな人たちのつながりをつくる、コミュニティ・居場所の役割と、就労創出・仕事おこしに取り組む運動が大切です。
いのちを育む地域づくりや地域未来産業の拠点となる、みんなのおうちづくりを進め、仕事を失った人たちの就労を保障し意欲を喚起し、公的就労保障制度の創設や、FEC自給をめざした地域づくり・仕事おこしを目的とする、求職者支援訓練、職業訓練にも取り組みます。

法制化を待ち望んで来た多くの先人たちの努力と、私たちの40年の実践が法制化を手繰り寄せました。そして仲間の協同労働によるよい仕事の高まりが、利用者や住民をも主体にし、ともに地域から新しい社会をつくり出す活力を生み始めています。このことに確信を持ち、新たな社会創造に向かうことを表明します。

1.危機の時代に、労働者協同組合法の制定の意義と可能性を自覚し、社会に伝えるとともに、法制化集会やフォーラム、学習会などの開催を通じて、協同労働プラットフォームを立ち上げ、新しいワーカーズコープづくりを主導する協同労働運動の創造に取り組みます。

2.地域の中での対話を通じて、よい仕事の高まりをみんなのおうちにつなげ、持続可能な地域と就労の創出に資する、地域未来産業づくりを進めます。また、温室効果ガスの排出抑制と再生可能エネルギーへの転換、地域と連携した防災対策を始め、SDGsの達成に向けた取り組みを広げます。

3.コロナ禍の中で失業をはじめとする困難にある人々と連帯し、国・自治体に失業対策・公的就労保障制度の創設と、持続可能な地域づくりに資するために、労働者協同組合の積極的活用を求めていきます。

4.JCAをはじめとする非営利・協同の連帯を強化し、法制化時代の協同組合間連携の取り組みを各地につくり上げ、法制化後の新たな協同労働運動を推進します。また、気候危機や生活困窮、生きづらさに抗する若者たちとの連帯を深めます。

5. ICA、ILOなどの国際機関との連携を強化し、労働者協同組合法と協同労働の価値を世界に発信・交流します。

 

2020年6月19日
第41回定期全国総会参加者一同