ワーカーズコープ連合会センター事業団
篠路まちづくりテラス和氣藍々(北海道札幌市)
コミュニティカフェ「篠路まちづくりテラス和氣藍々(わきあいあい)」(以下、和氣藍々)は、北海道札幌市北区、JR学園都市線篠路駅近隣ののどかな住宅地にあります。
今回は和氣藍々を開いた経緯を石本依子さん、村井貴子さん、林遥果さんにお話をお聞きしました。
ある日の和氣藍々
和氣藍々のお店ののれんをくぐると、店の一角で笑い声が上がりました。どうやら、数人のお客さんが一緒に絵本を読んでいるようです。
お店の別のコーナーからはピアノの音色が響いてきます。和氣藍々のピアノは誰でも好きに弾くことができるそうです。
お昼を迎えた時間帯になると、スタッフの方々が忙しく立ち働いています。その中の一人、石本依子さんは、コミュニティカフェ、和氣藍々の立ち上げスタッフです。
「いろいろな仕事をします」
石本さんは、ワーカーズコープで働き始める前、専業主婦でした。ワーカーズコープが運営する「篠路コミュニティセンター」(以下、コミセン)の図書室が司書を募集しており、結婚前に取得した図書館司書の資格を生かそうと応募をしました。
石本さん「私がワーカーズに入った時は伝説になっています。50人くらい募集したところ、1200人が応募してきたみたいで。リーマンショックで。書類選考で700人に絞って、それから350人くらい面接しますということだったそうです。その時に、ワーカーズコープは司書だけではなく、いろいろな仕事をします、という説明がありました」。
石本さんはこの時、出資や、協同で運営することなどのお話も聞きました。
石本さん「(ワーカーズコープの)自分たちでやっていこうという思考はとても興味がありました。司書で入ったけどもいろいろやるんですよ、というのが、私は面白いなあと思いました」。
和氣藍々設立へ!
ーーーどうして和氣藍々を立ち上げることになったんですか?
石本さん「コミセンはすごく可能性があって楽しい仕事でした。ワーカーズの考え方だと、コミセンの利用者を『お客さん』じゃなくて、一緒に作っていく人と考えます。
コミセンでいろいろなことをやりたいと持ちかけた時に『公共施設なのでそれはできません』と言われました。『じゃあ公共施設ではないところでやればいいんでしょ』と思って」
石本さんたちはみんなの居場所和氣藍々設立に向けて、地域で懇談会を開きましたが、初めのころは、地域の人にはなかなか理解されませんでした。
石本さん「思いを地域の人たちに伝えるのが一番大きなハードルでした。ワクワク感と怖さがありました。懇談会を何度もやりました。コミセン以外にもこういう場所があったらいいですよね、と言うことを地域に発信しました。最初のうちの懇談会は夢物語でした。仲間を増やしたいという思いで伝えていて、『なんなの?』という反応もありました」。