放課後等デイサービスもちの木は、2011年に開所しました。
特別支援学校などから下校した障がいがある児童が放課後を過ごすのが、放課後等デイサービス。「もちの木」は10代の中・高校生の利用者が多く、卒業後の就労支援に力を入れているのが特徴です。今回は、開所時からのメンバーである現場責任者の日高砂由里さんにお話をお聞きしました。
「お金より生活スキル」と、生活塾を着想
「もちの木」は、板橋区内の障がいのある子どもの保護者の「放課後の居場所がほしい」という声に応えて、開所しています。当時私は、ワーカーズコープを知りませんでしたが、面接を受け、「面白そう」と興味をもちました。
それまでの仕事は、軌道に沿った業務をするのが普通のことだったので、地域の保護者と勉強会を開いたり、物件探しをしたり…というワーカーズコープの「一からの仕事おこし」は新鮮なものでした。実は当時某大学での学生のカウンセリングをする仕事の誘いも受けていたのですが、そちらを断って入団しました。
日高砂由里さん
福祉畑で仕事をしてきた私は、障がいがある子どもが、大人になってから仕事を探すときに困難に直面する例を多く見てきました。大人になる前の段階でのかかわりが必要と考え、生まれたのが「障がいのある子どもの生活塾をやりたい」というアイディアです。
「親亡き後の将来を考え、お金を残してやるのではなく、子どもが生活スキルを身につけられるように、『今』一緒にお金を使う方がいい」。
ある研修で聞いた講師の言葉が、その思いをさらに加速させました。
ジネスプログラムの1コマ。「連絡」がテーマ
自発的に興味をもてるプログラムが大切
「もちの木」では、利用児に向けて多彩なプログラムが用意されています。食事や掃除について学ぶ生活スキルプログラムや、パソコン作業や電話連絡スキルを学ぶビジネスマナープログラム……。これらは決して無理強いはされません。一人ひとり違う子どもたちが「どうしたら興味をもてるか」を大切にしています…