新年あけましておめでとうございます。
昨年は2回目となる国際協同組合年(IYC2025)として、様々な「協同」を問い直し意味づける一年となりました。また昨年末の国連総会においては、「社会と経済の発展・開発を推進するために、協同組合の事業体モデルの効果的な活用を奨励する目的で、2025年の国際協同組合年に続き、10年ごとに国際協同組合年を宣言することを呼びかける」ことが決議されるというニュースも飛び込んできました。協同組合は、元々資本主義が生み出す様々な矛盾や課題を解決するものとして登場してきました。その意味で、現代社会のあり方を是正する有効なシステムとして、協同組合への期待はますます高まるものと考えられます。
日本におけるIYC2025では、通常国会における「協同組合の振興を図る決議」がなされ、地域における協同組合間の連携を促進する試みも広がりました。その中で新しく制度化された「労働者協同組合」に対する認知度も向上しました。新しい協同組合制度としての「労働者協同組合」は、昨年12月1日現在で176法人が設立・登記されています。この制度の特性を生かし、様々なジャンルと担い手によって、多様で多彩な労働者協同組合がスタートしており、こうした人々と私たち連合会の関係づくりも広く進んだ一年でした。
ポストIYCでもあり、ネクストIYCの出発となる本年は、こうした大きな期待と前進を追い風としつつも、より本質的に志向(思考)し行動する自覚を持って臨む所存です。すなわち、協同組合という存在がもたらす成果は、組合員の思いと実感がもたらす成果であることを、常に分析・評価し改善・改良を重ねていく真摯さを持つことです。協同組合を名乗りルールを定めれば、直ちに協同組合「らしさ」が登場してくるわけではありません。協同組合は「人々の結合体」であり、その「つながり方」は千差万別です。協同組合を形成し、運営し、体現するのは組合員足る人々です。そしてその舞台は、生活や仕事が営まれる足元のローカルな地域・コミュニティです。こうした協同組合らしさが最も体現される労働者協同組合の成否は、協同組合の存亡がかかっていると言えます。そして協同組合間連携もまた、組織間のつながりとともに、組合員同士の多様なつながりを創出し育てることにこそ本質的な意味があり、そのつながりは協同組合の外、すなわち地域の様々な人々へと波及してこそ、協同組合はその真価を発揮していると言えます。
今、企業の中で「社会性」「持続可能性」「関係性(連携)」を重視した地域づくりに取り組む潮流が生まれています。こうした人々に共通するのは、企業同士が私益を越えて地域の公益を志し横につながること。そしてつながりの結び目(真ん中)に住民の参加と自治を据え、地域のエコシステムを重視して事業を推進しようとしています。この挑戦にあたって協同組合の「原理」や協同労働の「哲学」を学ぶ機運が生まれ、交流が始まっています。
改めて、自分たちが生み出したい「価値」を明確にし、開かれた多様な「協同」の探求によって、労働者協同組合の可能性と協同労働の普遍性を探求する一年にしていきたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。
日本労働者協同組合連合会 理事長 古村伸宏
