「対話」による「つながり」の回復、希望の創造 

六車由実 さん講演

介護を必要とするようになっても、高齢者が最期まで生きる希望を持ち続けられるようになるために必要なのは、人と人とのつながりを回復することではないか。そのために、すまいるほーむでは、利用者さんがどんな人生を歩み、どんな経験をされてきたのかを語っていただき、書き留め、形にしている。どんな形にしているか。

①思い出の味の再現利用者さんの思い出の食、味について聞き書きし、それをみんなで再現して味わう。
②「人生すごろく」利用者さんのエピソードをマスに書いて並べる。それにまつわる歌、寸劇なども入れて遊ぶ。
③「すまいるかるた」みんなで聞き書きして、利用者さんとスタッフを含めた全員の読み札を作り、遊ぶ。

これは、「開かれた対話」型になっている。介護民俗学の聞き書きは大きな施設で「1対1の対話」から始めたが、小規模デイでは場所がなく、みんながいる前で聞き書き。何人かの利用者さんたちやスタッフも一緒に質問するようになった。これによって、こんな「効能」が。

・「何かができない」利用者さんから、「人生の先輩」へ。利用者さんが主役、先生となり、一人の人間として向き合う第一歩となる。・利用者さん自身も人生を再評価できる。

・利用者さん同士が互いの生き方に関心を持ち始める。

・何でも言える関係が生まれる。

・何か始める時には、まず利用者さんに聞いてみる、というのがスタッフの常識となる。

・遊びによって、負の記憶もプラスに。

・すまいるほーむが、利用者にとっても、スタッフにとっても心地の良い場…人と人とのつながりがあり、互いが互いを尊重し合える場…に変わる。