共生ケアPJ 利用者がコロナ感染、休業の現場も 話を聞き家族、地域よく見え
日本労協連事業推進本部は、共生ケアプロジェクト会議を5月19日にWebで開催し、全国の地域福祉事業所や高齢者生協の仲間、70人以上が参加。コロナ禍での休業中の取り組みや、ビュートゾルフの玉ねぎモデルの活用、経営改革などが報告されました。なかなか会えない中での会議で、パソコンの画面に映った仲間の姿に「元気そうやね」「久しぶり」などの声も上がりました。(本紙 本田真智子)
事業の複合化等
労協センター事業団理事長、田中羊子さんが議案に触れながらあいさつ。「コロナ禍をどう越えるのかと同時に、失業や不安定就労、孤立の問題と向き合って、どう役割を果たしていくのか。失業や不安定就労の人たちと仕事おこしや地域づくりに向かっていくことが、今求められている」と指摘しました。
事業推進本部事務局長の牧野斉子さんが、2019年度総括と20年度の活動方針を提案。
19年度は、①一人ひとりの願いを叶える、当事者主体のケアの創造、②ともにはたらくデイから共生ケアへ、③事業の複合化総合化への挑戦、④住民とともに地域づくり、⑤経営改革と職場をみんなのおうちに、を重点に取り組んできました。
玉ねぎモデルを活用してケアが深まったり、高齢者介護の事業所が障害者の就労支援事業を立ち上げたり、ケア、食、エネルギーなどの自給を利用者・地域の人たちと目指したりと、新しい段階に入ったようです。経営改革は、前進が見られる事業所もありますが、全体ではまだまだ厳しい状況です。
20年度の方針は、①共生ケアを軸に据えたみんなのおうち協同総合福祉拠点へ、②経営改革、③職場をみんなのおうちに、④事業本部の共生PJケアの推進、⑤コロナウイルス禍の困難を超え、地域の命の拠り所として、を掲げています。
12事業所が発言。
愛知県高齢者生協の藤井克子さんが、3月に名古屋市河村たかし市長に愛知住宅福祉サービス事業者懇談会(愛知高齢協も事務局)が出した、「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う、名古屋市の南区、西区の通所介護事業所等への休業要請に対する緊急要望書」について報告。市から休業補償などをするという回答を得られました。
センター事業団理事の田中紀代子さんが、コロナ禍でもよい仕事に取り組む様子に、「介護の仕事が高く評価される時期に来たのでは」とまとめました。
発言から
本気になれば変わる
大阪高齢者生協の橋本篤さんは、アセスメントPJからの報告を。「玉ねぎモデルをアセスメントツールとして使うことで、利用者に寄り添うケアにつながるのではないかと、取り組み始めた。意識して取り組むために、玉ねぎモデルの真ん中に書かれている利用者の願い、目標をケアワーカーが毎回記入する記録用紙に書いておけば、その日のケアを振り返れるのではないかという話になった。2月からは、メールを使い意見交換している」。
深谷南地域福祉事業所だんらん上柴の竹田恭子さんは、「玉ねぎモデルに取り組んできて、それぞれの事情を把握していたつもりだったが、コロナ禍で利用の意向調査をし、家族にはどんな困難があり、どんなことを大切にしているのかなどが、よく見えてきた。また、地域のそれぞれの事業所や人の事情も見えてきて、連携も取れるようになった」。
経営改革について、高岡地域福祉事業所高岡ぽぴーの宮崎弘美さん(砺波ぽぴー村所長)が、「組合員の意識を変えることが大切だと、事業所のレイアウトを変えたりして、形から始めた。本気にならないと経営改革はできないので、数字を見える化。収入支出、人件費率も見せて、人員配置など1つひとつ見直しをした。数字で結果が出るとみんな頑張ろうと思うが、結果が出るように何回も話し合うことが大切だ。本気になればみんな変わると実感した」。
藤沢地域福祉事業所長後あかりの西島こづえさんは、「大家に事業所の現状と、長後で福祉をやっていきたいという思いを伝え、家賃を値下げしてもらった。みんなが本気になり、経営数値も学び直す。アイデアを出し合い、営業チームなどが生まれ自主的に活動している。料金や稼働日も見直した。今年度は原価率100%を絶対に切ろうと、みんなで意気込んでいる」。
コロナで休業 富山
利用者がコロナに感染した富山地域福祉事業所デイサービスぽぴー(共生型)の米山紀子さんは、「4月に高齢の利用者がコロナに感染。仲間で話し合い、利用者の安全を確保できるまでは閉めることに。利用者やケアマネジャーに事情を説明すると、『寂しいな』『再開する日が決まったら教えて』との反応。すごく嬉しくて、休みの間、できることをちゃんとやらなければと思った。利用者に毎日、体調確認の電話をすると、『こんな忙しい時にありがとう』『元気だよ』と。私たちのことを心配してくれる声もあり、励みに。放デイの保護者からも『こんな時に電話してくれるのは、ぽぴーさんだけだわ』と。普段はそんなに話さないお母さんたちとも、たくさん話せた。デイを休んでいる間は、仲間は訪問介護などほかの部門で働いた。5月7日から感染予防を徹底し、受け入れを縮小しながら再開。早く全面再開したい」。