豊島区委託 子ども若者相談アシスとしま 頼れる地域へ「ここにいるよ」会議

本紙 岩田

 子ども若者相談「アシスとしま」は、子ども若者ネットワーク「ここにいるよ」会議を、9月26日に労協連本部(東京・池袋)でWebも活用して開きました。2018年、豊島区が始めた「アシスとしま」はワーカーズコープとしま宙事業所が受託し運営。会議は昨年に続いて2回目。子ども・若者の自立とコミュニティーをテーマに開き、地域で活躍する団体から学び合い、「豊島区子ども若者自立MAP(仮称)」作りを考えました。(本紙 岩田)

出会いと対話で変わる

 地域で子ども・若者の強みを活かす活動をしている、4つの団体がパネルディスカッション。

 NPO法人いけぶくろ大明の卜沢(うらさわ)彩子さんが、未来館大明ブックカフェについて。

 失敗も体験できる場で、スタッフは若者がやりたいことを応援。演劇をしたいという声から始まった演劇ワークショップ、メイドカフェで働きたいという声に応えて行った就労体験、学習支援をしたかった利用者はNPOを立ち上げました。

 ひきこもっていた時期があるという卜沢さんは、「LGBTの人や外国籍の人なども利用している。若者は話を理解してくれそうな相手を選んで話しているから、私たちは常に若者の生き方や考え方を学ぶという姿勢が大事だ」と訴えました。

 東京中小企業家同友会の社長らが立ち上げた、NPO法人わかもの就職ネットワークの取り組みを、事務局の三鴨岐子さん(㈲まるみ代表取締役社長)が報告。

 サポステ利用者の就労体験の受け入れ先と就労先を開拓し、利用者の就労サポートと、就労が継続するよう企業への支援などもしています。

 三鴨さんは「『働く気がないなら来なくてもいい』と拒絶反応を示す企業もあるが、今の社会背景によって就労が困難になっていることを丁寧に話すと、『私たちがやらなければいけないことは何だろう』とみんな意識が変わってくる。『さっぱりわからない』という社長を、サポステに連れて行って対話会をしたら、すっかり乗り気になって雇ってくれたことも。出会いと対話が必要だ」と話しました。

声聞き一緒に汗を

 豊島区民社会福祉協議会の松里佳奈子さんがCSW(コミュニティソーシャルワーカー)の活動を報告。「若者の声を聞いて強みを活かせるよう地域で一緒に汗をかいている」

 アシスとしまを担当する、としま宙の豆田明日香所長は、「楽しさとやりがいが持てるよう、若者自身が仕事を選べるような地域にしていきたい」と話し、不登校だった相談者が自ら仕事を探して働く事例を報告。

 その後、3つに分かれて「豊島区子ども若者自立MAP」作りのワークショップ。

 豊島区子ども若者支援課小澤さおり課長が、「活動を知ることができた。さらに連携を強めよう」と締めました。

左から卜沢さん、三輪さん、松里さん、豆田さん

若者を知る大切さ 参加者の感想から

・中小企業の社長さんが、若者に対して熱心に活動されていることが印象に残った。

・社長さんたちが変わり、若者を雇ってくれる…… 感動した。

・若者自身を知ることの大切さを改めて感じた。

・顔と顔を合わせることは大切だと思った。

・人と人をつなぐ支援をされている方々が、こんなにいることを心強く感じた。

・自立MAPのWeb版(食べログ的なもの)もゆくゆくはあるといいと思った。

強みを引き出す大人をたくさん
東京中央事業本部 北川裕士事務局長

 会議を準備してきた東京中央事業本部北川裕士事務局長に聞きました。

 地域につながりがあった頃には、子どもが頼れる大人は、親以外にもたくさんいて、「頼ってもいいんだ」と思わせてくれた。依存しながら協同の素地となる人との関わりを学び、将来の夢や展望を描けた。

 しかし、それができにくい地域になり、子どもと親は共依存(親が子どもを支配し、子どもの自立を妨げる)に陥ることが増えた。安心して依存でき、強みを引き出してくれる大人の存在がたくさん必要だ。そこで、地域に依存先を見つけやすいよう、マップを作り、支え合い助け合いが当たり前の「ケアリングコミュニティ」を目指す第一歩として開いた。