埼玉県が市町村対象研修 全国に先駆け開催 「労協が地域づくりに活躍できるように」
埼玉県産業労働部多様な働き方推進課は、県内の市町村を対象に、「労働者協同組合法に関する市町村職員向け研修会」を1月27日、Webで開催。49自治体(全63自治体)から65人が参加しました。都道府県による基礎自治体向け労協法研修会は全国で初めてです。(本紙 炭谷)

労協法施行(10月1日)に向け 49自治体参加
田中理事長 全自治体に首長懇談など要請
多様な働き方推進課の鹿嶋信也主幹が、「労協法は今年10月に施行される。この法律の目的を踏まえると、地域のニーズや課題に精通している各市町村においても、労働者協同組合が地域づくりの担い手として活躍できるよう、事業での連携や活動の場の提供など、取り組んでいくことが期待されている。法律の概要、労働者協同組合、協同労働がどういうものかを学び、具体的なイメージをつかんでほしい」と、開催趣旨を説明。
同課真保治主査が厚生労働省作成資料に基づき、労協法の概要や法施行までのスケジュールを説明しました。
続いて当事者団体が「労働者協同組合法が地域にもたらす可能性」について報告。
ワーカーズコープ ・センター事業団埼玉事業本部藤谷英樹本部長は「全国に先駆けて北本市議会、県議会がこの法律の早期制定を求める意見書を採択、県内全議会でも採択していただくなど、埼玉の法制化運動が全国を牽引してきた」と強調。
県内でのワーカーズコープの概況や取り組みを紹介し、「労協法を活用したいと、数多くの相談が寄せられている。こうした人たちにもこれまでのノウハウや情報を提供したい」と話しました。
センター事業団田中羊子理事長は、全国の自治体での事例を挙げながら、①県内全自治体での首長懇談、部局横断の学習会、②市民への周知広報、相談支援窓口の設置や予算措置、③協同労働プラットフォーム事業の施策化、④給付付き起業型職業訓練の開催、⑤公共サービスの新たな担い手として、労働者協同組合を位置付ける、の5点を要請し、「誰もが持てる力を活かし合う持続可能な社会の実現に向けて、この法律を活用してほしい」と呼びかけました。
センター事業団坂戸地域福祉事業所の石橋妙子所長は「NPOで活動していた15年前にヘルパー講座をワーカーズと共催。協同労働という働き方に共感し、受講生たちと訪問介護からスタート。通所介護、生活支援、学習支援、保育などの地域に必要な事業を広げてきた。『仕事起こし講座』も開き、2つの準備会が誕生。協同労働は夢が実現できる働き方だ」と発言。
講座をきっかけにコミュニティカフェの立ち上げを目指す、篠原陽美さん、松下元子さんも登場。松下さんは「仕事を辞め、第二の人生を探していた時に講座を知り受けた。コロナのこともあり、地域や人とつながることの切実さを感じている。立ち上げを成功させたい」と語りました。
埼玉ワーカーズ・コレクティブ連合会の後藤成美さんも、県内で47団体・500人を超える組合員が、食や福祉分野を中心に多様な活動を行っていると紹介。
参加自治体から県に対し、県独自の設立支援制度など、法施行に向けた準備状況や、市町村に求められる役割などに関する質問が寄せられました。
最後に田中理事長が映画「Workers被災地に起(た)つ」の視聴を呼びかけ、2時間の研修会を終了しました。
県は今後も、研修会を開催していく予定です。