10団体から立ち上げ相談 とくしま協同労働サポート事業

本部長 酒井厚行/事務局長 川上健太

ワーカーズコープ・センター事業団四国開発本部は、徳島県より「とくしま協同労働サポート事業」を昨年10月に受託。これまでに2回の相談会や出張相談などを行い、10団体から具体的な立ち上げ相談が寄せられています。(本部長 酒井厚行/事務局長 川上健太)

 とくしま協同労働サポート事業(サポート事業)は、都道府県独自の労協法の周知、推進事業としては、鳥取県に続き全国で2番目に始まったものです。

 事業内容は、①労働者、市町村に向けた法の趣旨や制度の周知、協同労働の活用事例を紹介するセミナーなどの開催、②関心を示す事業者やNPO法人などの団体に対して、相談窓口の設置や出張相談を実施しながら、組合設立や組織変更に円滑に対応できるよう支援する、の2つです。

 この事業を受託した四国開発本部では、ポスターやチラシなどの広報ツールを作り、徳島県労働福祉会館にある徳島事業所に窓口を設置。11月から週1回、相談業務を始めました。

 開始時は、窓口相談よりも講師依頼が相次ぎました。コープ自然派しこくや徳島生協連、障がい者団体、市民活動団体などのイベントでも、協同労働を伝える機会をつくっていただき、その後の相談に結び付いています。

 また、県内のNPO団体にもチラシを配り、阿南市、阿波市、三好市などの担当課や議員を訪問し、労協法や協同労働について説明しながら、この事業の活用を呼びかけました。

介護事業者 「高齢者向け貸部屋事業を労協で」

自動車整備会社 「農福連携で農作物の加工などを」

環境系NPO 「自由度の高い労協法人に転換したい」

外国人交流グループ 「意見を出し合う協同労働に共感」

「理想的」「現実的でない」が半々

 1月29日と2月10日には、徳島市の県民活動プラザで、ミニセミナー&仕事おこし相談会を開催。介護事業者や、自動車整備会社、環境系NPO、徳島で暮らす外国人と日本人の交流グループなどから相談がありました。

 鳴門市にある賀川豊彦記念館(「生協の父」と言われる社会運動家賀川豊彦は、鳴門市出身)の方も訪れ、「高齢者の居場所づくりや、耕作放棄地で無農薬の小麦を育て、パン作りや学校給食に使いたい。労働者協同組合について詳しく知りたい」といった相談が寄せられました。

 一方で、これまでに周知活動を含めて30以上の団体に対応しましたが、一人一票の運営については、「理想的」「素晴らしい」という方と、「現実的でない」「大変そう」という方がほぼ半々。また、やりたいことは明確になっているものの、経営指標づくりや経理処理、整備が求められる報告書(財産目録、貸借対照表、税務関連書類など)作成などの事務作業には抵抗感が強いという印象を受けました。こうした事務作業や書類作成の指南書作りも検討した方がよいと感じています。

 今後サポート事業では、3月中に県西部(三次市)、県南部(阿南市)でミニセミナー&仕事おこし相談会を開き、報告会も兼ねて、「第3回キックオフ集会in徳島」を開催する予定です。

 10月の労協法施行後を見据えながら、徳島労福協や県内の各協同組合などと連携を取って、集会や学習会、まちづくり講座を開催しながら、労協法、協同労働の周知・活用を促していきます。

相談会の内容から

・介護事業者の方 「合同会社で介護事業を運営。デイサービスを子どもから高齢者までが共に過ごせる施設にしたい。老健施設の利用を待つ高齢者に向けた貸部屋事業を労働者協同組合でできないか」

・自動車整備会社の方
 「今の会社を労協法人に移行し、ニンジンなどの農作物加工を基礎にした、農福連携事業をセンター事業団で立ち上げたい」

・環境系NPOの方 「四国遍路の環境と文化を守る活動や、環境イベントの開催、生物多様性の保全活動などを行う。会員は40人いるが、実際に活動する人は限られている。NPOの限界を感じ、自立的で自由度の高い労働者協同組合への転換を検討している」

・外国人交流グループの方 「助成金を使ってお菓子作りや裁縫、藍染、農業などに取り組んでいるが、給与が支給できる仕組みに転換したい。労協法は素晴らしい制度。会議中、日本人は意見があってもなかなか発言しないが、みんなで意見を出し合う協同労働の働き方に共感している。事業計画づくりなどでサポートしてほしい」

とくしま協同労働サポート事業のポスター

オンラインカフェや出前講座 ワーカーズ九州事業本部

 ワーカーズコープ・センター事業団九州事業本部・沖縄開発室は、協同労働や労働者協同組合の設立、運営方法などについて学び、自由に話し合う「協同労働オンラインカフェ」と「出前講座」(ともに無料)を開いています。
 オンラインカフェの1回目は2月26日に行い、8人が参加しました。2回目以降は3月26日、4月23日、5月14日(各10時〜11時半) に予定しています。