京丹後市主催、ワーカーズ運営で 協同労働個別相談会

但馬地域福祉事業所長 上村俊雄

 京都府京丹後市が主催し、企画運営をワーカーズコープ但馬地域福祉事業所が担った「~地域づくりを仕事にしよう~協同労働個別相談会」が2月18日(峰山庁舎)、21日(大宮庁舎)の両日、10時から16時まで開かれました。(但馬地域福祉事業所長 上村俊雄)

労協組合員と市職員が7組と和やかに

2回の市民研修会受け

 この相談会は、昨年2回実施した労働者協同組合法に関する市民研修会の際に、協同労働の活用について具体的に相談したいという声があり、開催されたものです。

 相談者は地域の自治会、地区組織、市民のグループなど7組。日本労協連古村伸宏理事長をはじめ但馬地域福祉事業所の組合員4人と市の担当課が加わって相談に乗りました。

 京丹後市版の小規模多機能自治である「新しい地域コミュニティ」での仕事づくりに向けて、地域課題の解決に協同労働をどう活用していくか、住民の中での意見の違いをどう乗り越えていくかなど、具体的な相談となり、終始和やかな雰囲気で進みました。

 内容は多岐にわたりましたが(別項)、活動の理念を中心メンバーで共有することや、これまでの自治組織では意見が反映されにくかった子どもや女性と関わりをつくる重要性が多く挙がりました。

 どの団体も今後も継続して相談を進めていくことになりました。

 京丹後市市民向け労協法研修会1回目(昨年10月、現地37人、オンライン20数人)では、地域のニーズがアンケートや現地での質問から読み取れ、「新しい地域コミュニティ推進大会」として開いた2回目(昨年12月、現地62人、オンライン20人)では具体的な相談を希望する声もあり、3回目は個別相談会として2カ所で開かれました。

「新しい地域コミュニティ推進大会」として開かれた第2回研修会(昨年12月)

「協同労働組織にしたい」など

7組の相談内容(▽)と助言(▼)は以下。

①ごみ問題から

▽海岸漂着ごみの問題から、ごみ拾いイベント等に取り組み、環境教育や廃プラスチックを固めて「プレシャスプラスチック」として製品化するマシンを手作りしているが、持続可能にしたい。協同労働が使えないか。
▼破砕機と成型機のパーツは、高校に協力を求め、作ってもらってはどうか。自然体験重視の学童保育やプレーパーク等、子どもとの関わりを広げては。

②居場所づくり

▽障害のある子どもの居場所づくりを、同僚と協同で経営している職場の2階で始めた。利用者の得意分野を仕事にしていきたい。
▼コアメンバーで理念の話し合いを。制度を活用するなら地域活動支援センターや放課後等デイ、職業訓練等が使えるのでは。

③農業の困りごと

▽自治組織で、集落営農と草刈り等の農業にまつわる困りごとを仕事づくりと地域づくりの中核に据えたい。
▼みんなが守ろうと思える農業を考える。学校給食での活用等、子どもも巻き込んで。外からの力も入れ、地域間で連携して取り組んでは。(広島・アグリアシストともの実践を伝える)

④移住者も協力して

▽限界集落だが、森林整備とスキー場活用、獣害対策(ジビエ活用)で地域と移住者が協力して暮らしていける地域づくりをしたい。
▼獣害対策で処理場を設置し、肉を有効活用する。スキー場もプレーパークとしての活用等多面的な取り組みを。理念は何かを立てるために、想いを共有する話し合いの場を。

⑤女性の声と力を

▽女性の参画や意見反映をし、仕事をつくり、持続可能な地域にしていくため、小学生の放課後の体験スポーツクラブづくりを構想。
▼子どもや環境、スポーツをテーマにしてはどうか。

⑥山と風力発電

▽近隣の山に風力発電設置の話がある。「山に道がつき、手が入りやすくなる」という意見もあるが不安。とくに女性は声を上げにくい。
▼森を考えることから始め、森の健康診断を実施してはどうか。登米の実践も参考になるのでワーカーズの映画上映会をやったら。

⑦加工所、朝市

▽女性中心に農産物の加工所や温泉施設内での売店、朝市やキッチン、移動支援を展開してきた。協同労働組織にしたい。
▼朝市を結節点として協同労働導入へ。(朝市に関連してグリーンファームの実践を紹介)。 なお、市は「京丹後協同労働プラットフォーム」(仮)の設置も計画しています。

 


丹後地域でのワーカーズの取り組み経過

2009年:京丹後市も支援エリアに含みサポステ豊岡(若者就労支援)開所

2011年:京丹後市でPSS(生活困窮者支援の前身)のアドバイザー業務開始

2013年:サポステ豊岡の出張所を京丹後市に設置

同年:京丹後市<中間的就労調査、合宿型訓練>受託

2014年:京丹後市<就労マッチング、農業体験セミナー、林業研修>受託

2015年:京丹後市生活困窮者就労準備支援事業「黒部の居場所ひまわり」開所

2016年:森林・山村多面的機能発揮対策交付金を活用し簡易な森林整備

2018年:京都府ひきこもり支援「ひととわ」開所

2021年:京丹後市労協法学習会