協同労働運動の全歴史引き継ぎ、時代を創る主体者に
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会第43回定期全国総会、センター事業団第37回通常総代会および労協法成立特別企画が6月17〜19日、東京都港区ニッショーホールをメイン会場にWebと併せて開催され、延べ1000人以上が参加しました。総会には、後藤茂之厚生労働大臣が駆け付け、協同労働推進議員連盟所属の国会議員などからも祝辞やメッセージが寄せられました。(本紙 炭谷)

労協連第43回定期総会
23年4月、労協法人連合会設立

総会スローガンは、「人類史的危機の課題に立ち向かう協同労働運動の意義を社会に問う 労協法施行を契機に市民が連帯と協同の新たな時代を創る主体者に」。
大津清次副理事長(無茶々園)が開会を宣言し、古村伸宏理事長が「10月1日にいよいよ労協法が施行される。協同労働は、どこかダサいけども懐かしく、慈悲深い働き方。ささやかであっても、この働き方の確かな手応えを地域や社会に伝えていこう。労働者協同組合、協同労働の未来を活発に語り合い、すぐにでも動き出したくなるようなみずみずしい議論を」とあいさつ。
後藤厚労大臣、橋本岳厚生労働委員長も駆けつけ、後藤大臣は、「幅広い分野で労働者協同組合が活用されることを期待している。私も厚労大臣、議員連盟顧問として、できることにしっかりと取り組む」と話し、古村理事長らとグータッチ。協同労働推進議員連盟の皆さん、日本協同組合連携機構(JCA)中家徹代表理事(JA全中会長)、労働者福祉中央協議会南部美智代事務局長、ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン藤井恵里代表が祝辞を述べました。

田嶋康利専務理事が議案提起。「2023年4月に労協法人連合会を設立する。労協法施行までの40年にわたる歴史的、社会的意義を自らのものとして、新しい社会、新しい時代づくりに踏み出そう」と呼びかけました。
「労働者協同組合法人への移行に向けた現状と展望」をテーマにしたリレートークでは、14団体が発言。
年間活動表彰と、議案、総会アピールの採択があり、藤田徹副理事長が、「労働者協同組合が社会的存在になったことを実感する総会だった。明るい未来がなかなか展望できない情勢の中で、労協法は産声を上げた。私たちがこれまで重ねてきた経験を生かし、労働者協同組合を地域に無数に広げていこう」と閉会あいさつしました。
労協法の可能性深める特別企画も
2日目午前中は、労協法施行年特別企画「動き出す、労働者協同組合法! ~地域から立ち上がる協同労働を支え・広げるために~」が開かれ、会場・Webを合わせ600人以上が参加。
福岡県、京都府京丹後市の職員、ワーカーズコープの組合員が、それぞれの自治体での労協法の周知・推進に向けた取り組みを報告。労協法を活用した地域づくりを目指す、三重県四日市市議や沖縄県宮古島市の自治会役員からも発言があり、厚生労働省勤労者生活課岡英範課長が「福岡、京丹後のような、自治体と連携した流れを全国に広げてほしい。厚労省でも来週から、労働者協同組合の紹介サイトや相談事業が始まる。秋からは全国7地域でフォーラムも開きながら、労働者協同組合の知名度をあげていく」とコメント。
古村理事長が、「労協法を知らせ、伝える努力がこれまで以上に求められている。よい仕事を通じて、それぞれの地域、それぞれのやり方でこれまで以上につながりを広げていこう」とまとめました。
センター第37回通常総代会
法人移行 NPOは来年4月、企業組合は24年に
18日午後からはセンター事業団総代会。スローガンは「労協法を全面的に活用し、市民・働く者自身が社会と向き合い、仕事おこし、新しい社会を創造する時代を切り拓こう」。会場、Webを合わせ、500人以上が参加しました。

東京統括本部大場寛本部長が開会を宣言。
21年度中に亡くなった組合員に黙祷を捧げ、田中羊子理事長が「労協法第1条(目的)の理念にこだわり抜き、この法律を必要としている人に知らせ、共に立ち上がろうと呼びかけよう」とあいさつ。
協同労働推進議員連盟桝屋敬悟顧問(前衆院議員)、埼玉県労働者福祉協議会佐藤道明専務理事らが祝辞を述べました。
議案提案では、馬場幹夫専務理事が、2021年度の活動総括と22年度事業計画を提案し、「労協法施行をきっかけに、新しい労協運動、新しい社会連帯運動へ。労協法第1条に掲げられた理念を体現する事業所・現場づくりに向かおう」と呼びかけました。
小林勲専務理事補佐は、労協法人への移行について、「来年4月にNPO法人ワーカーズコープを労協法人に組織変更したい。11月に全組合員投票、12月に議決総会を予定。センター事業団の3法人(NPO、企業組合、みなし)を一括で組織変更できないのかという意見も当然あるが、膨大な実務作業に鑑み、企業組合とみなし法人は24年度に移行し、25年度に一つの法人として移行を完了する予定」と提案しました。
「法成立で全国民に労協法人つくる権利」
議案を深める2つのパネルディスカッションが行われ、テーマ「労協法第1条を体現する協同労働・よい仕事」では、北海道事業本部、松本事業所(長野)が、まちづくり講座でつながった人たちと登壇。
1〜3月まで北海道長沼町でまちづくり講座に取り組んだ、道立市民活動促進センター相談員の東田秀美さんは、「みなさんは労協法の成立を、当たり前のことと思うかもしれないが、私たち一般市民にとってこの法律の成立は、すべての国民に労協法人を作る権利ができたということ。そのことの重みを知ってほしい」と語りました。


テーマ「地域の存在になりきる! 労協法を全面的に活用し、市民・働く者自身が社会と向き合い、仕事おこし、新しい地域を創造する時代を切り拓こう」では、大野城・春日事業所(福岡)、大槌地福(岩手)、福井事業所が登壇。それぞれの実践を報告し、北海道大学大学院宮崎隆志教授が、「住民から見たみなさんの事業・運動の意味の明確化がこれからの課題。住民の言葉でワーカーズコープの事業や、(住民)自身の変化が語られるようになるとすばらしい」とコメントしました。
事業所、永年勤続表彰、発言があり、労協連永戸祐三名誉理事は、「混乱極まる社会情勢にあって、私たちには最も崇高な任務を与えられているという覚悟を持ち、協同労働運動を、日本で最も大事な運動と認識されるところにまで押し上げよう」と訴えました。
議案、総代会アピールが採択され、竹森鉄常務理事が、「協同労働には社会を変える力がある。このことに確信を持ち、さらなる事業・運動に取り組んでいこう」とまとめました。