長野 小谷村で地域づくりフォーラム 120人参加 「だからワーカーズが必要なんだよ」
長野県小谷(おたり)村で活動する人たちや村の職員、労協ながのなどでつくる実行委員会は、「地域づくりフォーラム2022in小谷」(共催:信州協同労働推進ネットワーク、後援:小谷村)を9月1日、複合拠点施設おたりつぐらで開催。会場・Webを合わせ120人が参加。今後の地域づくりを語り合いました。(本紙 炭谷)

「地域を続ける」ために できることみんなで
基調提起、実践報告を受けての意見交流では、会場参加者から、日頃感じている地域課題や、解決に向けたアイデアが出され、小谷村中村義明村長や村の職員も最後まで真剣に耳を傾けていました。

小谷村で障害のある人もない人も共に働く実践を行う、真木(まき)共働学舎の方から、「今のままだと真木という場所は朽ちていくしかないが、それぞれの地域には知恵がいっぱいある。高齢者や地域に眠っている力がつながれば。村に暮らす皆さんが、この村で何ができるか夢を描いていってほしい」と呼びかけが。
別の方からは、「村の人口も2600人と少なく、減少も止まらない。今は近所のつながりでかろうじて支え合っているが、一人暮らしの老人も増え、障害のある方も心配。過疎の地域で助け合うために、ワーカーズコープでどんなことができるのか」「さまざまな活動をしている人たちは地域にいるが、横のつながりをどうやってつくればよいのか」という質問も。
基調提案をした、センター事業団玉木信博専務理事は、広島市での協同労働による支え合い活動などの事例を挙げ、「集落の実態を、感覚だけでなくみんなと共有し議論する場が必要では」と返答。
集落支援員の松澤彩子さんが、「誰1人取り残さないという思いで活動しているが、人口が減り村の存続も危うい。『地域をつくる』ではなく、『地域を続ける』ことが喫緊の課題。みんなのつながりを本当につくっていかないと……」と焦燥感を滲ませると、信州共働学舎の宮嶋信代表が、「だからワーカーズコープが必要なんだよ。いろんな人材とつなげてくれる可能性をすごく感じている。共働学舎にも各地から若者がやってきて共に働いているが、ワーカーズのネットワークで、全国からこの村で働きたい若者を引っ張ってきてくれると嬉しい」と発言。笑いに包まれました。
意見交流では参加者も活発に発言
多様な活動発信し、「村づくり講座」につなげようと
中村村長も期待
労協ながの鈴木友子理事長(信州協同ネット共同代表)が開会あいさつ。
中村義明村長は、「10月に労働者協同組合法が施行される。地域でのさまざまな取り組みに協同労働がつながるようなフォーラムに」。
日本労協連田嶋康利専務理事も、「労協法は、地域の課題をみんなで解決していくためのまちづくりのツール。小谷村での住民主体の地域づくりを全国に発信して、協同労働を社会に根付かせてほしい。労協連も応援している」と期待を寄せました。
センター事業団専務理事で一般社団法人ソーシャルファームなかがわ事務局長の玉木信博さんが基調提起。
長野県中川村に移住し、3年前、村の人たちとソーシャルファーム(就労に困難を抱える人が、サポートを受けながら他の就労者と共に働く社会的企業)を立ち上げた経緯を紹介し、「農福連携や、一般就労として援農や休耕田の活用、空き家管理などにも取り組んでいきたい。労協法を活用して、協同労働を地域に広げてほしい」と呼びかけました。
実践報告では小谷村で活動する5人が登壇。集落支援員の田中毅さん(労協ながの)と松澤彩子さん、おたり自然学校の大日方冬樹校長、信州共働学舎の宮嶋信代表、真木共働学舎の井上宗高さんが、それぞれの活動を報告。
意見交流が行われ、センター事業団北陸信越事業本部川原隆哲本部長(協同ネット共同代表)がまとめ。田中さんが、9月13日からおたりつぐらのカフェで開く「村づくり講座」への参加を呼びかけました。
村民などと準備進め
フォーラムは、小谷村での多彩な活動を発信し、これからの地域づくりにつなげようと、村の集落支援員、村職員、労協ながのなどが実行委員となって、準備を進めてきました。
田中さんは、「4月から小谷村で活動を始めたが、出会った人たちは皆、熱い思いで地域づくりに取り組み、村民や生きづらさを抱える人びとに寄り添う気持ちでいっぱい。農福連携も進めているが、集落支援係をはじめ、役場や農家のみなさんの全面的な支援があって具体化できた。参加者には、こうした村のみなさんの熱量を一番伝えたかった。労協ながのとしての発信や取り組みもまだまだこれからだが、定期的に『村づくり講座』を開き、協同労働を伝えながら、村のみなさんと一緒に地域課題の解決と仕事おこしに取り組んでいきたい」と意気込んでいます。