10月1日 労協法施行 歴史と到達点受け継ぎ 時代を切り拓く新協同労働運動へ
労働者協同組合法が10月1日に施行。新たな協同労働運動の時代を迎えるにあたって、日本労協連古村伸宏理事長の談話です。
探求者であり続け、法律の質高めよう
労協連 古村理事長

労働者協同組合法がついに施行の時を迎え、先人たちが始めた「失業をなくす」「よい仕事に尽くす」取り組みが、「新しい働く仕組み」として公に登場します。
労協法が社会に存在する、「新協同労働運動」の入口に立った今、改めてこの地点にたどり着くまでの運動の歴史と到達点をしっかり受け継ごう。そして「誰もが仕事と暮らし、時代と社会の当事者になろう」と、地域に呼びかけ、新たな時代を共に拓く運動として歩み続けることを、誓い合いたいと思います。
協同労働を人々の希望の灯に
私たちの先人たちは、第二次大戦後の失業と貧困を生き抜く中で激しい労働運動をつくり、国の失業対策事業が廃止に向かう中で、この事業で働く人々の命と誇りを守るために、労働者協同組合の前身である、「事業団」を設立しました。
それから50年。事業団、労働者協同組合、協同労働運動は、「よい仕事」「仕事おこし」を掲げ、探求を続ける中で、人々の「参加」「主体性」「当事者意識」を育んできました。労協法の施行は、この探求プロセスの地域的・社会的実践を公的に呼びかけるものと言えます。
一昨年12月の労協法成立は、「社会が協同労働を必要とした」「協同労働の実践に時代が追いついた」と評価されています。
労協法は、これまで協同労働運動に関わってきたすべての人の営みや実践が、種となり土壌となって、今の社会情勢の中で必然性を持って成立しました。
環境や気候の危機が極まり、不確実で先が見通せない未来を前に、労働者協同組合、協同労働運動は、人々の希望の灯となりうるのでしょうか。まだその確証はありません。
しかし、これまでの実践をていねいに意味づければ、目指す方向に自ずと明かりが灯り、未来の輪郭が浮かび上がるはずです。
原点を忘れることなく歩み続ける
この営みを確かなものにするための条件は二つあります。
一つは私たちが協同労働の探求者であり続けるということです。
実践の格闘と探求の歴史が労協法を社会に送り出したという事実を忘れることなく、この法律を活用し、更なる実践を通じて探求をより深め広げることで、この法律の質を高め続けましょう。
そしてもう一つは、この協同労働の探求者を、地域や身近な人々の中からていねいに増やし、広げていくことです。
それは協同労働という「文化」を耕すことに他なりません。「私」から「私たち」へ、さらにコミュニティをベースとした「みんな」と呼ぶにふさわしい関係性を、地域や社会に広げていくことです。
法律は仕組みでしかありません。そこに命を吹き込むのは私たちです。臆することなく、決しておごらず、協同労働を真摯に探究する中から、私たちの中に眠る「人間性」を呼び起こしましょう。
そして、命の尊さ、つながりを感じられるような社会をつくり、生存の危機の時代を突き破りましょう。
世界に誇れるような日本の協同労働運動を展望しながら、その原点を忘れることなく歩み続けることを約束し、10月1日を「協同労働の日」とし、協同労働の文化を耕し続け、語り続けましょう。
最後に、先人たちの誇りが記された言葉をみなさんに捧げます。
“自由なる労務の名にて遅々たれど 働く力尊し道なる”(岐阜市・金華山道路竣工石碑より)