労協連 子育ちフォーラム2022 地域と生活を焦点に 子どもと育ち合う社会へ
日本労協連は、9月10、11日、「子育ちフォーラム2022 未来を生きる子どもたち へ -大きな転換期を共に生きよう-」を開催しました。1日目、ニッショーホール(東京都港区)で行った全体会には会場、オンラインを合わせ400人が参加しました。(本紙 炭谷)
特別企画で、ドキュメンタリー映画「夢みる小学校」を上映。
労協連事業推進本部星平順子事務局長が、「未来を担う若者や子どもたちのために、私たち大人がどう行動するかが問われている。地域と生活を焦点に、子どもと共に育ち合い、市民一人ひとりが主人公になる社会づくりに向かおう」と開会あいさつ。
「地域の中に『自分のままでいられる居場所』を作ろう」をテーマに、滋賀県大津市で子どもの居場所や働く場づくりに取り組む、NPO法人こどもソーシャルワークセンター幸重忠孝代表が基調講演。

児童指導員、スクールソーシャルワーカーとして、子どもたちに関わってきた経験を語りながら、「学校や専門機関だけでは解決できない、困難を抱える子どたちを受け止めようと地域の居場所づくりに取り組んでいる」。
昼夜逆転生活を送る若者がピア相談員となり、スマホで助けを求める投稿を見つけ、リアルタイムで相談や緊急支援を行う、「深夜のネットアウトリーチ活動」などを紹介し、「決まったプログラムに当て込むだけでなく、若者たちの得意に合わせて仕事をつくっていくことが大切」と強調し、「地域の力とつながり、子どもたち一人ひとりの課題を解決できるような、小さな居場所をつくっていこう」と呼びかけました。
リレートークで居場所づくり深める
リレートークでは、ワーカーズコープから、仙台地域福祉事業所けやきの杜瀬戸理音所長が、昨年立ち上げた地域の居場所「みんなのBASE」について、「子どもの居場所やフードバンク、駄菓子屋、保護者主催のサロン活動など多彩な活動を実施。保護者からの相談も増えており、大人にとっても『心のBASE』になっている。多様なスタイルで学べる場所を子どもたちと一緒に実現したい」。

オンラインで参加した鹿児島県奄美市・結の島地域福祉事業所くっかる越間聡美所長は「14年前に認可外保育所からスタート。小規模保育、学童保育、就労継続支援B型、くっかる食堂、市の委託で学習・生活支援など、子どもを取り巻く環境の変化に対応しながら事業を広げている。週1回、小学3年生〜高校生を対象にした学習・生活支援を実施していたが、コロナで昨年8、9月は活動を休止。恒常的に集える場所の必要性を痛感していた時に、市の担当者から、日本財団の『子どもの第三の居場所』が公募されていることを教えてもらい挑戦。採択され、開所準備を進めている。学習・生活支援とコラボしながら、行政、地域の人たちと一緒に途切れのない支援をしていきたい」。

奄美市保護課生活支援係重田浩史主幹兼係長も期待を語りました。
北海道・苫小牧ぽっけ地域福祉事業所松崎愛所長も、放課後等デイサービスから始まり、フードバンク、子ども食堂などの居場所や事業を広げている実践を紹介しました。
テーマ「子どもの未来と労働者協同組合」で、北海道大学大学院宮崎隆志教授(協同総合研究所理事)と労協連古村伸宏理事長が総括対談。
フォーラムアピールが読み上げられ、センター事業団藤田徹副理事長がまとめました。
翌日は、子育ちと協同労働、環境や食、社会的養育、多様な学びなどをテーマに5つの分科会が開かれました。
堀内詔子衆院議員から祝電が寄せられました。
みなさんの実践が
子どもたちへのメッセージ

今、子どもの居場所が求められているのは、家族が孤立化し、学校をはじめとする制度的な枠組みがうまく機能していないから。
新しい仕組みづくりを考えた時に、分野や制度の縦割りを超えた、「みんなのBASE」の駄菓子屋のような、誰が来てもいい、自分たちでその場のあり方を決めていくことができる、ごちゃまぜの場所が重要になる。
コミュニティの崩壊とは、言い換えれば自治の崩壊。労働者協同組合制度は自治を保障するものだ。将来、今の仕事の半分はロボットやAIに置き換えられると言われているが、子どもたちがこの言葉を聞けば、『これからどんな社会になるんだろう、自分たちは働けるのだろうか』という不安しか出てこない。しかし、自治をちゃんと認め、そういう働き方ができるとなったときに希望が生まれる。制度に希望を託すのではなく、皆さんの実践を世の中に示すことが、子どもたちへの力強いメッセージになる。(文責編集部)