エンドオブライフ・ケア協会とセンター事業団が協定 ホスピスマインド、「みんなのおうち」で支え合う地域づくりへ
ワーカーズコープ・センター事業団と一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会(以下、ELC)は、「協同労働の『みんなのおうち』と『ユニバーサル・ホスピスマインド』推進に係る協定書」調印式を、10月5日、労協連本部(東京・池袋)で行い、30人が参加しました。式のスローガンは、「新しい出会いの力が、人々の生活と地域にどんなうるおいをもたらすだろうか」。「協同の力」を大切に、共にまちづくりに取り組もうと協定を締結しました。(本紙 岩田)
新しい出会いの力で生活と地域にうるおいを
まちづくり講座に「いのちの授業」を
ファシリテーターと
ELCは2015年に設立。ユニバーサル・ホスピスマインド(解決困難な苦しみに向き合う穏やかな心の育み方)を学んだ全国のファシリテーター321人(10月13日現在)が、専門職に限らず市民に向けて、ユニバーサル・ホスピスマインドの学習会と「いのちの授業」を行います。
協定は現場やみんなのおうちで、「まちづくり講座」を共催していくというものです。
研修会も開いて
田中羊子理事長が「格差や貧困、分断と孤立が広がる社会で、私たちは地域づくりの拠点として『みんなのおうち』に取り組んできた。そこにホスピスマインドを活かせたら、どんなに豊かになるだろう。全国の地域でELC会員と一緒にみんなのおうちをつくるため、『いのちの授業』を取り入れた『まちづくり講座』を開き、ホスピスマインドをみんなで学び合うことから始めていきたい。一緒に夢を実らせ地域づくりの力にしていきたい」とあいさつ。
馬場幹夫専務理事が経過報告。「小澤代表理事らと話し合いを重ね、3月にはホスピスマインドから対話の基本を学ぼうと労協連本部で研修会を開き、ワーカーズの仲間とELC会員が地域でつながった。共にまちづくりを大きく広げていきたい」と呼びかけました。

小澤代表理事が特別講演し、全国各地からELCの取り組みを紹介。
馬場専務理事とELC業務執行理事の千田恵子さんが協定書を読み上げ、田中理事長と小澤代表理事が協定書に調印。
永戸名誉理事が「お互いの理念を心から大事にして、取り組みを深め合いたい」と決意を述べました。
孤立していた市民がつながる
ELC協会
小澤竹俊代表理事
誰からも必要とされていないと感じていた人が、ここにいていい、生きてよかったと言える社会にと活動を続けてきた。
マイナスの気持ちの人をプラスの気持ちにするには、気持ちを分かってくれる人として関わること、専門的な知識ではない。例えば病院なら清掃員や実習生でも素晴らしい援助者になり得る。治せない病気など解決できない苦しみがあっても、人は笑顔を取り戻せる。
拠点を持たない私たちの活動は目に見えにくい。一方、ワーカーズにはみんなのおうちや事業所がある。「まちづくり講座」にホスピスマインドが加わることで、市民がつながり、支え合う地域づくりが進むよう、「みんなのおうち」を応援する。
ELC・センター事業団
調印式で活動報告も
調印式では、全国各地でのELCの取り組みも報告され、式後は交流会も行われました。
子ども食堂でも
ELC愛媛代表の宇田真紀さんは「4年前、看取(みと)りの援助を学ぶグループとして活動を開始。民生児童委員の方から、学校に行けず家で悲しい思いをしている子どもたちなどのケアをできないかと相談され、寺小屋、子ども食堂などで『いのちの授業』を行ってきた。今後はワーカーズコープのみなさんと一緒に『いのちの授業』を届けていきたい」と。
ワーカーズコープ国分地域福祉事業所ほのぼの(鹿児島県霧島市)所長の西律子さんは、「現場(訪問介護、就労継続支援B型)でつながったELC会員でケアマネの堀内範海さんが、私たちに労協法施行を市民に伝える場をつくってくれた。堀内さんはほのぼの食堂(地域食堂)にもボランティアとして参加している」と紹介。
堀内さんは、「3月に霧島まちづくり講座に参加し労協法を知った。多くの人に知ってもらいたいと、ほのぼのの方にいろんな場で話をしてもらった。ほのぼのがみんなのおうちになっていると感じている」と実感を。
北九州まごころ「『いのちの授業』、いいことだからやろう」
ELC会員「国分ほのぼのにみんなのおうち実感」
センター事業団北九州地福まごころ(福岡県、介護など)の取り組みを、北九州エリアマネージャーの中井康裕さんが報告。「昨年1月から『おしゃべりサロン』を開いている。少子高齢化の地域で何かできないかと、小澤先生の研修を受けてこれだと思い、『まちづくり講座でいのちの授業をしてもらわないか』とスタッフたちに相談。『いいことだからやってみよう!』とネットで地域のELC会員の方を探し、講師を依頼。11、12月に開く」と力を込めました。
式後の交流会ではELC会員の方々が「なかなか当事者と出会える機会がない」と悩みを話すと、ワーカーズコープ首都圏事業本部のメンバーたちが、「各地で開催予定のまちづくり講座や子ども食堂を一緒にやりましょう」と誘いました。


協定内容(要旨)
(1)センター事業団とELCは、社会的孤立が進む地域社会で、自治体や地域のさまざまな活動団体・個人の皆さんの協力を得ながら、みんなのおうちを通じて、地域のつながりを強めていくことで、誰一人取り残されず、幸せ(Well-being)を実感でき、人生の最期まで尊厳を持って暮らせる社会を目指す。
(2)ELCはセンター事業団と協議して、全国各地の「みんなのおうち」を始めとしたセンター事業団の活動にELCのファシリテーターや講師を紹介する。
(3)ELCは、みんなのおうち事業を始めとしたセンター事業団の活動に積極的に協力し、研修会の共同企画・実施などを行い、地域で苦しむ人への援助を行う人に、ユニバーサル・ホスピスマインドを学び、実践できる機会を提供する。
(4)センター事業団は、ELCの会員の地域づくり・仕事おこしの思いや夢の実現に向けて、協同労働を生かし、一緒に力を合わせて実らせる。