厚労省 関西ブロック労協法周知フォーラム

本紙 炭谷

大阪 「成熟化・定常化時代の新たな組織形態」
広井京大教授 「法第1条は国際的にも先駆」

 厚生労働省は、関西ブロックの6府県と共催で「労働者協同組合法周知フォーラム」を10月29日、大阪市の施設「AP大阪淀屋橋」で開催。会場、オンラインを合わせ、300人が参加しました。(本紙 炭谷)

会場には100人が詰めかけた


 厚生労働省雇用環境・均等局勤労者生活課労働者協同組合業務室水野嘉郎室長が、「10月に労協法が施行され、各地で法人設立が始まっている。この新しい法人制度が地域の活力となり、人と人との温かいつながりを生み出していくものになっていくよう、厚労省としてもしっかり取り組んでいく」。

 大阪府商工労働部雇用推進室小川勝室長は、「大阪府としても、多種多様な労働者協同組合が生まれるように積極的に取り組んでいきたい」とあいさつしました。

 「地域社会の未来と協同労働の可能性」と題して、京都大学「人と社会の未来研究院」広井良典教授が講演。

 労協法に触れ、「時代の流れがワーカーズコープに追いついた。法第1条(目的)に、『サステイナブル(持続可能)な地域社会の実現』を打ち出したことは国際的にみても先駆的なもの」と評価。

 「現代のような成熟化・定常化した時代では、新たな組織形態が求められる。その一つが労働者協同組合。新しいコミュニティづくりやローカリゼーション、自律分散的な働き方を支える組織として広がっていくことを期待している」と述べました。

 日本労協連古村伸宏理事長は、協同組合の特徴や労協法成立の背景、法律の概要を説明し、自治会での立ち上げ事例にも触れながら、この制度の活用と立ち上げを呼びかけました。

水野室長
広井教授

コーヒー焙煎、生活支援… 「労協」で若者が働ける事業へ

 パネルディスカッション「労働者協同組合法をどう活用するか」では、しが地方自治研究センター中西大輔理事をコーディネーターに、協同労働を実践する4団体が事例紹介。

 大阪府枚方(ひらかた)市のコーヒー焙煎ワーカーズ 珈琲工房まめ福の白江祐子(しらえまさこ)代表は、「フェアトレードで仕入れたコーヒー豆を取り扱うワーカーズ・コレクティブ。メンバーは15人で全員女性。現在、事業高のほとんどは生協への卸販売に依存しているが、労協法人を取得して、独自販売や若者が働ける事業を拡充し、第2、第3のまめ福づくりにもチャレンジしたい」。

 大阪府箕面(みのお)市のNPO法人暮らしづくりネットワーク北芝の中村雄介さんは、人口500人余りの北芝地区での、まちづくりや若者支援などの多様な取り組みを紹介し、「一般社団法人で行ってきた生活支援サービス事業を労協法人にできないかと検討中。地域での協同はずっと大事にしてきたので、これからも労協法に謳われている理念を大事にしながら、地域のいろんな人に役割のある場を作っていきたい」と述べました。

4団体が協同労働の実践や労協法への期待を報告
白江代表
中村さん


 ワーカーズコープ・センター事業団但馬地域福祉事業所の上村俊雄所長は、兵庫県豊岡市での、若者サポステや自伐型林業、森のようちえんづくりなどの取り組みを紹介し、「私もサポステの元利用者。みんなで話し合って決めることは大変だが、このプロセスが誰もが生きやすい社会、持続可能な地域づくりにつながっていくのでは」。

 兵庫県尼崎市の企業組合はんしんワーカーズコープ馬場義竜代表理事も、「設立9年目。6つの事業に42人が働いている。『はたらく』という営みは、本来、主体的で創造的なもの。『意見反映』は経済合理性から見たら非効率だが、民主主義のトレーニング。一人ひとりが納得感を持って働ける組織づくりを目指している」と報告しました。

 ワーカーズ・コレクティブ ネットワークジャパンの藤井恵里代表が、「労働者協同組合への期待が高まっている。協同労働によって、誰にでも居場所と出番がある地域づくりを進めていこう」とまとめました。

■厚労省労協法周知フォーラム 今後の予定

東北ブロック 11月23日 仙台市・仙台国際センター/北海道ブロック 11月27日 札幌市・かでる2・7 北海道立道民活動センター/九州ブロック 来年2月18日 福岡市・福岡県中小企業振興センター ※いずれも会場・オンライン開催