この記事は会員限定です
ログイン
書籍紹介 春いちばん 賀川豊彦の妻ハルのはるかな旅路 玉岡かおる 著
本紙 本田真智子
日本の協同組合の父と呼ばれ、キリスト教者の社会運動家、労働運動家として名高い賀川豊彦の妻、ハルの伝記小説だ。
明治21年に横須賀市の商家に生まれたハルは、火事で家業が傾いたため、学びたいとの思いを持ちながらも、小学校を出ると家族と離れて一人、東京の相場師の家に女中奉公に出された。
その後、福音印刷の社長である伯父夫婦の支援で女学校に入るが、周囲からのいじめで挫折。家族と一緒に神戸へ。福音印刷の神戸工場の女工として鬱々とした日々を過ごした。
23歳の時に、キリスト教を伝道する青年・賀川豊彦と出会い、信仰を学び、賀川のスラムでの社会運動を手伝うように。同志となり、やがて結婚。
ハルは賀川をサポートしながらも、自らも学ぶ。平塚らいてふ、市川房枝などとも知り合い、大正10年には覚醒婦人協会を設立し女性解放運動にも取り組んでいる。当時、治安警察法第5条で、「女子」が政治集会に参加したり、発起人になったり、政党に加入することを禁止していたくらいなので、女性グループを結成するのも大変な時代だった。(全国の署名活動が実り、大正11年には一部改正され女性の政治参加が自由になっている)
...
この記事は会員限定です。労協新聞をご購読いただくと続きをお読みいただけます。