厚労省・中部ブロック労協法周知フォーラム
金城学院大朝倉教授 暮らしやすい多文化共生社会へ
「幸せをつくる協同労働」
厚生労働省は、中部ブロック10県との共催で「労働者協同組合法周知フォーラム」を11月6日、名古屋市のミッドランドホールで開催。会場とオンラインを合わせ、236人が参加しました。(本紙 福本)

厚生労働省雇用環境・均等局勤労者生活課労働者協同組合業務室水野嘉郎室長があいさつ。愛知労働局日髙啓視局長は、市町村職員を対象に労協法の研修会を開いたと話しました。
金城学院大学朝倉美江教授が「幸せをつくる協同労働〜新しい働き方と地域づくり」と題して基調講演。「支える人と支えられる人ではなく、『お互い様』の関係で成り立つ福祉を考えていた時、協同労働に出会った。協同労働のような『相互扶助』の関係を、福祉の中に位置づけられないか研究を続けている」と述べ、「コロナになって人々が孤立化し、幸せの本質を考える状況が生まれている。幸せとは自分だけではなく、周りの人たちとの関係の中でこそ実現できる、目指すことができるもの」と指摘。

日本で働く外国にルーツがある人々の現状に触れ、「日本人がやらない仕事を『やってもらう』のではなく、『協同で労働をつくる』ことが必要。LGBTや障害者、認知症の人なども含む『多文化共生社会』こそが暮らしやすいノーマルな姿。その実現に近づけられる働き方が、協同労働の大きな魅力」と強調しました。
ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン藤井恵里代表も、「関係団体から見た労協法の概要とポイント」と題して講演しました。
リレートークでは、ワーカーズコープ・センター事業団富山北部事業所の仲間が現場での成長の実感や事情に合わせて働けるなど、協同労働が持つ寛容さに魅力を感じると話し、「あいち多胎ネット」の松本彩月さんは、「さまざまな人との出会いを通じて目の前の課題解決に取り組んでおり、労協法はこうした働き方を促す法律」と。NPO法人わっぱの会齊藤縣三代表は、「待ち望んでいた労協法。すべての非営利団体やNPOに労働者協同組合への転換を訴える」と力を込めました。
愛知県高齢者生活協同組合ケアセンターほみの上江洲恵子さんも報告。(別掲)
日本労協連古村伸宏理事長が、「『幸せをつくる協同労働』は非常に大事なキーワード。労働者協同組合、協同労働は、人々の『参加』、一人ひとりの『主権』、みんなで決めてみんなで運営する『自治』を基本に置いた、幸せをつくるための仕組みと言えるのでは」とまとめました。
近隣大学の学生らと外国人を支援
愛知県高齢者生協ケアセンターほみ 上江洲恵子さん

外国人が多く暮らす愛知県豊田市の保見団地で活動。法律や受けられるサービスを知らない多くの外国人を対象に「介護職員初任者研修」を始め、日本、ブラジル、ペルー、ボリビア、エクアドル、中国、リトアニア、フィリピン、ネパールなどの国籍を持つ110人以上が研修を修了した。
組合員一人ひとりが努力し、みんなが同じ方向に進めば地域課題の解決につながり、利益をみんなで分かち合える。これこそ協同組合の仕事。
今年から近隣大学の学生たちがほみで日本語を教えている。学生たちは主体的に自分たちで話し合い、制度で対応できない生活支援サービスを有料で実施している。
バブルの時に日本に働きに来て、そのまま母国に帰れず日本に残ったままの外国人も多い。70歳を過ぎて食事もままならず、パートで働かなければならないのは保見団地では当たり前。
社会保障も年金もない高齢外国人と学生が一緒に働くワーカーズコープを考えたい。