年頭所感 新「労協連」スタートの年に思う
労働者協同組合法が存在する社会が始まった! 協同労働の「日の出」
日本労働者協同組合連合会(ワーカーズコープ)理事長 古村伸宏

13の労協が労協法人に
新年おめでとうございます。
昨年10月1日、念願の労働者協同組合法が施行され、日本は労働者協同組合法がなかった時代から、労働者協同組合法が存在する社会へと移行しました。既に13の労働者協同組合が労協法人として立ち上がり、新たな担い手も登場。今年4月には、労協連も労協法人となり、新たな「日本労働者協同組合連合会」として、協同労働の本格的・全面的な実践に向かうときを迎えます。協同労働の「日の出」を感じます。
危機の原因をつくったのは誰か
しかし今、社会は「戦争へ、戦争へ」と突き進む気配を感じます。さらに、気候危機が深まり、生物多様性が危ぶまれ、あらゆる命が生存の危機にさらされつつあります。人類史的な岐路に立って思うことは、この危機の原因をつくったのは誰なのか、ということです。コロナ禍も、ウクライナの戦火も、命の共存の理(ことわり)を踏みにじり、利益の独占を競い合い、軍事力を誇示し合う人間の愚行がもたらしたものといえるでしょう。
この狂気ともいえる状況、対立と支配の構図は越えられないのでしょうか。底深い思慮と粘り強い対話が、今ほど求められているときはありません。
私たちの使命は何か
こうした中で、社会の仕組みとして登場した労協法は、人々に希望と勇気の灯をともしています。
全日自労(全日本自由労働組合)が、失業者の仕事確保のためにつくった「事業団」が集まって1979年に結成された「中高年雇用・福祉事業団全国協議会」が、「日本労働者協同組合連合会」に発展したのは1993年。この間、1982年に「直轄事業団」が生まれ、1987年に「センター事業団」となり、日本社会連帯機構も生み出しました。そして、2020年、ついに労働者協同組合法が成立しました。
労協法は、労働者が主体者となり、多様な仕事を生み、地域の持続と活力に資することを求めている法律だと思います。労働者協同組合が、社会的・公共的な存在としての真価を発揮する。この期待に応えた、私たちの生み出す微かな、しかし心揺るがす光をさらに輝かせることが、狂気の社会を正気の社会に変える、私たちの使命となっているように思います。
協同労働を深め、生きる意味を
協同労働は、働き方を入り口に、参加と主権を生み、自治を育てていく営みであり、職場をコミュニティとし、その成果と葛藤を生活と地域へと波及させ、多様なコミュニティを編み出す運動です。共に悩み喜び、共に立ち上がり歩み続ける運動。その積み重ねこそが文化を育みます。生きる営みを共に支え合い深め合う関係づくりを、人間の社会と地球環境の中に取り戻しましょう。
戦争をさせない、人間をあきらめない、命を見捨てない。
協同労働のよい仕事を磨き深め、生きる意味を感じ合う時代を本格的に拓く決意を新たにし合いたいと思います。