福島 3月11日に開催 「医師中村哲の〜」上映会 エリア4現場が力合わせ 337人が参加 みんなのおうちの呼びかけも

本紙 炭谷

 福島市内にあるワーカーズコープの4現場で働く組合員が中心となって、「『医師中村哲の仕事・働くということ』福島上映会」を、3月11日、福島市のとうほう・みんなの文化センターで開催。337人が参加しました。一般社団法人日本社会連帯機構が共催。福島市教育委員会などが後援しました。(本紙 炭谷)

337人が参加。福島の未来を考えるパネルディスカッションも開かれた

 実行委員を代表して、成川みんなのおうち保育園安藤一美(ひとみ)園長が、「東日本大震災から今日で12年。地震発生時、私は当時勤めていた保育所で2歳児を見ていた。大きな揺れに恐怖を感じながらも、子どもたちの命を守ろうとただただ必死だった。震災時に感じた、命を守る仕事に対する責任と、仲間と協力することの大切さ、ありがたさが今の私の原動力になっている。この映画を通じて、働くこと、共に生きる、平和とは何かを考え、みなさんと、この福島を持続可能で活力ある地域にしたい。そのきっかけの場に」と開会あいさつ。

子どもたちが、のびのびと駆け回れる福島へ

 上映後、参加者が震災犠牲者に黙とうを捧げ、パネルディスカッションへ。

 福島県二本松市で有機農業や農家民宿などを運営する、あぶくま高原遊雲の里ファーム菅野正寿(すげのせいじ)代表は、自身の実践と福島第1原発事故後の農業再生の取り組みを振り返りながら、「子どもたちに土に触れるな、外に出るなと、大事な幼少期の体験を奪った原発事故の罪は重い。子どもたちが、また以前のように、のびのびと駆け回ることができる福島に戻すことは私たちの責任。みなさんやワーカーズコープと力を合わせ、地域の再生に取り組んでいきたい」。

犠牲者の冥福を祈り参加者全員で黙禱

 日本社会連帯機構藤田徹専務理事は、ワーカーズコープの概要や労働者協同組合法の活用事例を紹介し、「福島でも、各地でこの映画を上映していく。協力を」。城南信用金庫名誉顧問の吉原毅さんのビデオメッセージも紹介されました。

 三河台みんなのおうち学童クラブの長谷川幸子主任と、笹谷みんなのおうち学童クラブ南由理華主任が、学童クラブと地域の居場所づくりに向けた「みんなのおうち基金」や、トルコ・シリア地震被災者への緊急募金への協力、25日に開く、まちづくりサロンへの参加を呼びかけました。

 亀岡偉民(よしたみ)衆院議員、金子恵美衆院議員から祝電が寄せられました。

「こんなに反響があるとは」

 福島市内にワーカーズコープの事業所は、3つあり、民設民営の学童クラブ3カ所(三河台(ゆきうさぎ地域福祉)、笹谷(〃)、瀬上(せのうえ)(ももの樹地福))と、成川みんなのおうち保育園(にじいろ地福)を運営。35人の組合員が働いています。

 上映会の準備を始めたのは11月。にじいろ地福中山竜一所長の開催提起に、最初は「自分たちにできるのか」と不安げだった組合員たちも、1月に地域の人たちや保護者を招いて試写会を開くと、日頃の取り組みへの励ましや映画への高評価を受け、開催に向けての手応えを掴みました。

 より多くの人に観てもらおうと、平日(2月22日)と休日(3月11日)に開催することにし、それぞれの現場で、保護者や知人、地元の人たち、商店、郵便局などにチラシを配り、地元の大学や短大、小中学校、映画館などにも周知。

 地元新聞に大きく取り上げられたこともあり、3月11日の回では、早めに予約を締め切るほど申し込みが殺到しました。

 現場のリーダーたちは、「県内全域から申し込みがあり、受付時間外にも電話が鳴り続け、丁重にお断りするしかなかった。こんなに反響があるとはまったく予想していなかった。また開催しないと」と口々に話します。

 2回の上映会には計507人が参加し、基金の呼びかけに約10万円が集まりました。

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 中山所長は上映会を振り返り、「3月11日に開いた意義を重く受けとめている。今、福島での事故がなかったかのように、原発再稼働に舵が切られているが、中村哲さんの志を胸に、私たちに何ができるのかを考え、労協法を伝えながら福島での市民主体の地域づくりにつなげていきたい」と力を込めました。

 福島県では、今後、郡山市、須賀川市、いわき市などで上映会を開く予定です。

上映会を終えて。4現場の仲間らが記念撮影