横浜 「協働フォーラム」に労協も 寿町で共生社会を展望

鳴海美和子

 かつて、「日雇い労働者が暮らす町として知られ、現在は生活保護を受ける高齢者が数多く暮らす横浜市中区寿町。この町の歴史を振り返り、共生社会のあり方を展望しようと、3月11日、「ことぶき協働フォーラム2023」(主催:横浜市ことぶき協働スペース)が開かれ、ワーカーズコープ神奈川事業本部事務局長の鳴海もトークセッションで発言しました。22日には、寿町にある横浜中部地域福祉事業所のデイサービス「寿ワーカーズ」で「炊き出し&0円バザー」を開催しました (鳴海美和子)

 寿町は第二次大戦後、日雇い労働者のまちとして発展。最盛期には8千~1万人が暮らしていましたが、現在の人口は6千人ほど。住民の6割は65歳以上で生活保護受給者も9割以上。住民の6人に1人が要介護認定を受けており、「労働者の街」から「福祉の街」へと変貌しました。

 ワーカーズコープはこのまちで、2016年から横浜市中区の委託で生活保護費の金銭管理業務を行っており(横浜中部地域福祉事業所が担当)、3年前には、横浜中部地福の事務所を兼ねて簡易宿泊所の2階にデイサービス「寿ワーカーズ」を開所しました。

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 フォーラムは2部構成。「労働と福祉」をテーマにしたトークセッションでは、寿歴史研究会小川道雄さんと寿日雇労働組合近藤昇さん、鳴海が登壇。

 近藤さんは日雇い労働者の労働組合の歴史や路上生活者が置かれている状況を語り、小川さんは「寿町の現状は10年後の日本の姿」と強調し、労働者を使い捨てる今の社会のあり方に警鐘を鳴らしました。

 鳴海は、労働者協同組合法が昨年10月に施行されたことや、ワーカーズの寿町での取り組みを紹介。「今後、屋上農園や養蜂、清掃講座にも取り組む。このまちの人たちが大切にしてきた地域連帯、住民主体の活動を取り戻していきたい」と抱負を述べました。

 「人権と市民社会」をテーマに、横浜簡易宿泊協同組合呉(ゴ)俊雄理事長とNPO法人「共に歩む市民の会」村岡福藏理事長が対談。横浜市健康福祉局生活支援課援護対策担当の遠藤寿彦課長がまとめました。

登壇者の皆さんと。中央が鳴海事務局長

横浜中部寿ワーカーズが 3回目
社連活動「炊き出し&0円バザー」

WBC決勝で出足は鈍かったが…

 「炊き出し&0円バザー」は、今回で3回目。会場のデイサービス「寿ワーカーズ」は簡易宿泊所の2階にあります。

 簡易宿泊所が大きな鍋や炊飯器を貸してくれたおかげで、100人分のカレーをスムーズに用意することができました。

 前回の炊き出しでは開始前から長蛇の列ができましたが、今回は並ぶ人もなく、始まっても会場は閑散……。

 参加を呼び込もうと、建物の入り口に立っていた私(鳴海)が「どうしたものか?」と考え込んでいると、通りかかった住民の方が「姉ちゃん、日本勝ってるよ」と声をかけてくれ、この日は、日本対アメリカのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝戦があることを思い出しました。

「みんなテレビ観てるから、終わるまでこないよ」と助言をもらい、ひと安心。

 その言葉通り、試合が終わると続々と地域の人たちがやってきて、用意したカレーは1時間程でなくなりました。

 日用品や洋服を提供・交換する0円バザーも好評で、洋服のコーナーでは「それ似合うよ」「こっちの色の方がいいと思うよ」と、自然に会話が生まれ、ほのぼのとした時間が流れました。

0円バザーも好評。炊き出しでは、カレー100食分が試合終了後、1時間で

4月から簡易宿泊所の清掃業務も

 寿町では、この4月から簡易宿泊所「コムラード寿」の清掃業務が始まり、社連活動の屋上農園も、横浜中部地福が入る簡易宿泊所の協力で取り組みます。

 以前、寿町では、日雇い労働者らが30近くの自主活動やサークルを立ち上げ、活発に活動していたそうです。

 労協法が施行された今、ワーカーズには、住民主体の活動をこのまちで蘇らせることへの期待が高まっています。事業・運動をさらに広げます。