センターが全国で農業講座 農の本質学び本気の取り組みへ
小農・森林ワーカーズ全国展開推進研修会
九州皮切りに
労協ワーカーズコープ・センター事業団は、「小農・森林ワーカーズ全国展開推進研修会(農業講座)」を全国の事業本部で実施します。農業講座は、小農・森林ワーカーズの取り組みを事業所・地域で本格化し、全国展開を進める中心的な人材を多数育成することが目的です。講師は全回とも、「小農に本気になって取り組むには、農の本質を学ばないといけない」と話すセンター事業団顧問黒木義昭さん(元JA広島中央会専務)が務めます。(本紙 本田真智子)
これから10年の中心課題の一つ
初回の農業講座は、小農・森林ワーカーズを先進的に進めてきた九州事業本部が担当し、5月10〜12日に鹿児島県霧島市の霧島商工会議所と国分地域福祉事業所ほのぼの「ほのぼのみんなのおうち」で開催。九州事業本部の組合員を中心に、48人が参加し、座学と鶏捌き体験、みんなでつくってみんなで食べる交流会で、小農の意義や食と農の関係などを学びました。

鶏捌き体験も
小農学会共同代表萬田正治さん、元パルシステム連合会理事長山本伸司さん、農的社会デザイン研究所代表蔦谷栄一さん、センター事業団顧問本村公則さん、無茶々園大津清次さん、ワーカーズコープ山口下瀬正光さん、村﨑忍さんがゲストとして参加。
萬田さんが品種改良した萬田黒鶏をほのぼのが育てていることもあり、鶏捌き体験では萬田さんが初日にデモンストレーション、2日目には初めて鶏を捌く参加者のフォローをしてくれました。

鶏捌きの説明をする萬田さん。手には萬田さんが品種改良した萬田黒鶏

哲学するのが小農
初日冒頭、特別相談役永戸祐三さんのメッセージが紹介されました。
「これから10年くらいの運動・事業のシナリオを描き切らなければならない。生活と地域を焦点にした運動・事業の全面的発展を考えたときに、小農・森林ワーカーズの取り組みとその発展は運動・事業全体の中心的課題の一つであると認識しなければならない」
黒木さんは「哲学するのが小農だ」と語り出し、「人間は何を食べてきたのか」「食料増産は可能か」「農業は生命産業」「地産地消とは何か」「食農教育と日本の食文化」「今なぜ、小さな農業なのか」の6つのテーマについて、自作のテキストを使い、3日間講義しました。
合間に、ゲストも取り組みを紹介し、「小農・森林ワーカーズに関わる人が増えると、地域に共同体が根付くのではないか」「近代化、大規模化では日本の農業は守れない。国民全体が関わる農業に変えていく必要がある。そのキーワードは、小農・森林ワーカーズだ」などの期待も。
今に満足せず進化を
さらに、萬田さんが農民作家の故山下惣一さんとの小農学会立ち上げ裏話を紹介し、「小農学会の目指すところは、さらに小農を進化させていこうという学びの場。今の小農に満足せず、これからどのような方向を目指すのかをやるべきだ。小農は農村だけではなく、都市生活者を含めた新しい概念。山下さんは『市民皆農』と言った。食と農はみんなが担わなければ。今、農村にワーカーズが必要だ。農村に入ってそこの人たちと協力して、みんなでやればいい」と語りました。


副理事長の奥治さんも広島から駆けつけ、2日目にあいさつ。「この講座の成功が、今後の小農・森林ワーカーズを強く推進していく力になる。参加した全員が小農運動を本気でやると決意を固めるものになった」と力を込めました。
九州事業本部長竹森鉄さんが「講義では人間の歴史や環境、技術、農業政策などが語られ、小農にどのように向き合うか考えさせられた」と結びました。
参加者の感想は「環境に配慮し、地域の関わりが強い農業を続けて、持続性の高いものにしていく必要を感じた」「試行錯誤していく楽しさと大変さが農業にあり、それが『農業は哲学』につながる」「頭でっかちではなく、実践しながら突き詰めていくことが重要」「目の前で鶏を殺し、捌き、食べる。食の循環の貴重な体験」など。
ほのぼのと九州の仲間は、送迎や鶏捌き体験と交流会の準備などに尽力しました。
次回は、8月に山陽事業本部で開催予定。