新「日本労働者協同組合連合会」誕生 協同労働で新しい社会を
6月24日創立総会 15労協法人加盟
初代理事長に古村伸宏さん
後藤経済再生担当大臣、加藤厚生労働大臣ら祝辞
労働者協同組合法人「日本労働者協同組合連合会」が6月24日、東京・池袋の労協連本部で創立総会を開きました。1979年、「中高年雇用・福祉事業団全国協議会」として始まった日本労協連は、「協同労働」という働き方を広げ、2020年12月4日、全党全会派一致での労働者協同組合法の成立に結び、第44回通常総会で任意団体の労協連を解散。労協法に基づく新労協連を創立したものです。15の労協法人が加盟し、全組合が発言。22団体が準会員となる見込みです。初代理事長には古村伸宏さんが選ばれました。総会、レセプションを通じて、後藤経済再生担当大臣、加藤厚生労働大臣(代読)らから祝辞が寄せられました。

15法人の発言から
地域をつなぐ
かりまた共働組合(沖縄・宮古島)

自治会から発生、20代理事長で注目されている。組合員は主婦、漁師(僕はもずく漁師)、農家、自治会役員など。自分たちができることをと、配食、漁師、送迎などチームで動く。
「新しい働き方で小さな幸せを増やす」を理念とし、地域をつなぐことを目指している。
全国第1号労協
Oretachino Camp労働者協同組合連合会(三重)

四日市市から手に余る土地を借りてキャンプ場を始めた。NPOで活動していたが、労協法人の方がはるかに事業をふくらませることができる。
申し訳ないが、全国第1号の労協と労協連。山間部、中山間部で余っている土地を活用し、地域の人に労協法人でキャンプ場を立ち上げてもらうのが1番の目標。
何倍もワクワク感
コモンウェーブ(三重・鈴鹿)

息子が小1で不登校になり、フリースペースを開設。養育放棄下の16歳女子への支援、困窮シングル家庭への食料訪問配布事業などからフリースクール併設型の放課後等デイ立ち上げを計画中に労協法を知った。
資本主義経済から距離を置き、お金がなくてもみんなで楽しく暮らしていける社会を創りたい。
この法がなければ、今までと同じように1人で活動していたと思う。話し合いの場を多く持つようにし、みんなで仕事を創っていこうと試行錯誤。大変なこともあるが、何倍ものワクワク感がある。
新しい世界つくる
プラスチックフリー普及協会(神奈川・藤沢)

地球規模で生物多様性の崩壊が加速。このままでは海の砂漠化が起こり、生物が住めない海になると言っても過言ではない。加えて海洋プラスチックの問題も深刻。
「パパラギ」は「量り売り」で生活用品を販売。学習の機会などを設け、環境活動家と名乗る仲間をどんどん増やしている。生活者が社会を変え、働く者が新しい世界をつくると信じて活動している。
盗難防止チームも
労働者協同組合うえだ(長野・上田)

2年前、「ワーカーズ上田地域応援隊」を立ち上げた。遊休農地での家庭菜園チーム、電気工事経験者の営繕チームなど5人。元警官の方が入ったので、リンゴや葡萄の盗難防止チームも。入ってきた人を起点に、その人に合った仕事をつくる。事業性が見えたら労協の仕事にする。元気な定年退職者と、地域の高齢者の助け合いで、難局を乗り切っていきたい。
改めて呼びかけ
無茶々園の森(愛媛)

74年にみかん農家が無茶々園を立ち上げた。協同労働を取り入れてきたが、職員には議決権がなく、主体的に関わる点は弱かったので、地域協同組合として運営してきたが、法制定を機に137人の従業員を対象に「労協をつくろう」と呼びかけ、30人が出資し、立ち上げた。
協同労働を無茶々園グループ内に広げ、必要な仕事を地域に飛び込んでつくっていく。
自らの背景生かし
創造集団440Hz

映像制作、ウェブ制作など。組合員4人。ほぼ全員が不登校、引きこもりの経験を持ち、オルタナティブ大学の雫穿(てきせん)大学出身。ワーカーズコープと出会い、自分たちの背景を生かした仕事が増え、ありがたいし、嬉しい。
センター事業団の組合員で不登校の子を持つ方たちと一緒にホームベースドエデュケーションを開き、ご家庭に若者サポーターを派遣する事業も始めた。
15法人の発言から
ケアワーカーズコープ北海道 佐藤友彦さん

50人で8割女性。自由で柔軟に。
ケアワーカーズコープわたすげ 佐々木光枝さん

地域食堂「つど〜れ」を再開。
ワーカーズコープちば 菊地謙さん

220人が働く。若年女性支援の「ぐるぐるカー」も。
ワーカーズコープ長野 田中琢磨さん

420人働く。役員も半分女性。
ワーカーズコープみえ 中西央さん

悲願の法。中西前理事長没10年。
はんしんワーカーズコープ 馬場義竜さん

目標の1億達成。困窮者、高齢者の仕事で市から相談。
ワーカーズコープ山口 村崎忍さん

農林官民福が連携竹林整備事業も
ワーカーズコープ・センター事業団 田中羊子さん

社会変革に役割を果たしていく。
「共存宣言」発し、協同労働運動本章へ
発起人会代表 古村伸宏さんのあいさつ
働くこと・働き方から世界を変えよう

労協法施行から9カ月目を迎え、53労協法人と1連合会が立ち上がっている。そのうち15の労協法人で発起人会を構成し、今日の創立の場を迎えた。準会員は22。この参集をさらに広げていく役割をすべての組織が担い、協同労働を体現するパイオニアの役割を自らに課す、その決意を固め合う場としたい。
時代と世界の混沌は深まり、日本社会は経済の拡大に酔い、非戦の旗を下ろし、世界を覆うさまざまな危機の根源と同化する歩みを急ごうとしているように感じる。
そんな中で政治的思惑を越えた労働者協同組合法が成立・施行された意味は想像以上に重く深い。協同労働運動は、労協法成立・施行という大きな契機を得て、働くこと・働き方から世界を変える、働くことの中に協同を取り戻す運動として、いよいよ本章を迎える。
協同こそが人類の生存戦略であり、人間は今一度、他の生き物・命との共存こそが地球の原理であることを、働くことから、地域から、事業活動と社会連帯活動をベースに伝え広げていく必要がある。「共存戦略」「共存宣言」を発するのが、本総会の使命といえる。
人々の主体性・当事者性・そして協同性を、働くということから徹底して探究する。ここに協同労働の核心点がある。あきらめ感、お任せ意識、無力感……その根底に孤独と孤立があるとすれば、私たちは無数のつながり、結び目を編み出し、対立の関係をほどく努力を尽くしていきたい。
協同労働運動の新しいステージに、新しい仲間と共に立ち、見据える未来を明確にし、それを宣言し、新しい歴史を喜び合う、豊かで創意と思慮にあふれた総会にしていただくことをお願いし、あいさつに代えたい。
大きな風を送り出してほしい
協同労働推進議員連盟顧問 後藤茂之経済再生担当大臣

法律を作るお手伝いをさせていただいた。こういう新しい働き方、社会の支え合い方を長らく追求してこられた皆さんの熱意のおかげだと思っている。
福祉や子育て、農業など地域のいろんな活動で、働き方の一つの選択肢として、 大いに広がっていってもらいたい。
私は経済再生大臣として新しい資本主義の担当をし、社会において課題解決型の多様な担い手を増やしていかなければいけないという認識を持っている。収益を目的としない、しかし、継続的に社会の課題を解決していく事業をいろんな形でできる、そういう社会ができたらと思う。
新しい社会に向かって、連合会が新たに出発され大きな風を送り出していただくようお祈りする。今後も一緒にいろんなことに取り組ませていただきたい。
新たな社会的価値体現を期待
加藤勝信厚生労働大臣

昨年10月に労協法が施行され、各地でさまざまな分野で労働者協同組合が立ち上がっている。貴連合会には労働者協同組合の設立を希望する方々への支援など、先駆者として多大なるご協力をいただいた。今後は労働者協同組合の新たな社会的価値を体現していただくことを期待している。
厚生労働省としても貴連合会とも連携しながら、地域共生社会の実現に向けて、労働者協同組合の設立等を通じ、多様な働き方が可能となる職場環境の整備や就労機会の創出につながるよう、取り組みを進めていく。
今後も、より多くの方々に労働者協同組合に関心を持っていただき、活動が一層促進され、多様な働き方を実現しつつ、地域の課題解決のために活動される方々の選択肢が広がるよう、全力で取り組んでまいりたい。(代読、厚労省雇用環境・均等局村山誠局長)
連携し持続可能な地域づくりへ
日本協同組合連携機構(JCA)会長 全国農業協同組合中央会会長
中家 徹さん

コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で、私たちの命と暮らし、食や農に対するリスクが現実のものとなった。皆さまは農協と同様、地域に根ざし暮らしや食を支える協同組合である。共に日本の協同組合運動を盛り上げていきたい。
JCAは2018年の発足以来、協同組合が持続可能な地域のより良い暮らし、人・仕事づくりに一層貢献できるようさまざまな連携を進めている。
地域や経済的、社会的弱者をめぐる問題が深刻さを増している。よりよい仕事にこだわり、地域共生に関わる多様な活動を広げている皆さまの取り組みはますます重要。JCAも連携し、持続可能な地域づくりにおける協同組合の役割をさらに広げたい。