埼玉協同労働推進ネット「まちづくりフォーラム」 県内で協同労働広げよう

本紙 福本

 埼玉協同労働推進ネットワークは、「まちづくりフォーラム」(埼玉県後援)を7月1日さいたま市文化センターで開催。オンラインと合わせ84人が参加しました。労働者協同組合法の施行後に立ち上がった2つの法人が実践報告を行いました。(本紙 福本)

地域づくりを仕事にしませんか?

 埼玉協同ネット後藤成美共同代表(埼玉ワーカーズ・コレクティブ連合会会長)が、「働きづらさを感じている人が年々増加している。協同労働を通じて地域に必要な仕事や働きがいのある楽しい職場をつくりたい。労働者協同組合法が施行されてから、この働き方への認知も徐々に進んでいる。フォーラムを契機に協同労働を県内に広げていこう」と開会あいさつ。

 「地域づくりを仕事にしませんか?」と題し、労協ワーカーズコープ・センター事業団の田中羊子理事長が講演。「労協法は、人間にとって『働くとは何か』を考える契機になる。すでに全国で50を超える法人が協同労働をやりたい思いで立ち上がってくれた」と強調。

田中理事長の講演を聞く参加者

 「公共の破壊とも言える民営化が進んでいる。営利企業でも社会福祉法人でもない、新たな公共の担い手として協同労働、労働者協同組合の位置付けを国や自治体に求めたい。ぜひ、一緒に取り組みを」と呼びかけました。

 続いて、新たに立ち上がった2つの労働者協同組合の実践報告があり、グループディスカッション。

 「高齢者の住まい、居場所づくりを通じて地域づくりに向かいたいが、現状は、不動産業者を紹介することに止まっている」「みんなで地域をつくる労協の精神は大事だ。でも『法人化』となると資金力の弱いNPOには辛い。労働基準法(最低賃金法)もどう守ればいいのか」「豊島区のまちづくり講座に参加し、そこで出会った人と映画の上映会を開いた」などの意見が上がりました。

 埼玉協同ネット藤谷英樹共同代表(労協センター事業団埼玉事業本部本部長)が、「今後は、うえだのような取り組みが増えると思う。『シニアワーカーズ』を設立して、持続可能で活力ある埼玉県にしていこう」と締めくくりました。

 終了後のアンケートでは、「就労と地域連携の課題など、考えさせられることが多かった」「公を回復しつつ、事業として成り立つ方向を模索することが重要」「労働者協同組合の考えや個別の事例が分かって参考になった」「仲間一人ひとりの得意なことを活かして新しい活動をつくる大切さを感じ、今後の仕事の仕方を考えた」「グループディスカッションで同席したJRの方が『労協で駅を立ち上げられるか』との話は面白かった」などの声が寄せられました。

実践報告

労働者協同組合うえだ
   北澤隆雄理事長

 長野県上田市で活動している。

 高齢化社会の当事者として、2年前に「ワーカーズ上田地域応援隊」を立ち上げて活動をスタート。触れ合い体験付きの家庭菜園事業や、営繕チーム「たすけ隊」を発足させた。「庭の木を切りたい」「草刈りをしてほししい」など、行政に頼むほどではない、ちょっとした困りごとを解決しており、この営繕チームを労働者協同組合にした。人生100年時代と言われる中、定年後の第2の人生の選択肢になれるよう、高齢者の私たち自身が主役になって、地域の課題の解決や、高齢者の拠り所としての機能を果たしていく。そのためにも仲間と仕事を増やしていきたい。

労働者協同組合コモンウェーブ
  山浦久美子理事長

 三重県鈴鹿市でフリースクール併設型の放課後等デイサービスを運営している。10人で立ち上げたが3人辞め、新たに7人が参加。出資金は1万円だが、増資を検討している。

 組織の運営で気をつけているのは、「一人で決めない」「現場のことは現場に任せるが、放任はしない」「属人化しない体制づくり」など。

 今後は、児童館のような居場所づくり、困難を抱える子ども・若者の伴走支援、不登校相談会、子供服のリサイクル、映画の上映会などに取り組んでいく。