司法修習生フォーラムで「協同労働」分科会 労協連専務理事田嶋さん、センター顧問弁護士久保木さんが講演

センター事業団埼玉事業本部事務局次長 小林 豊

 「知ろう、そして近づこう」をテーマに、第76期司法修習生フォーラムが、7月29、30日に京都教育文化センター(京都市)で開催されました。「協同労働」に関する分科会も持たれ、日本労協連田嶋康利専務理事と労協ワーカーズコープ・センター事業団顧問弁護士の久保木太一さんが登壇。司法修習生をはじめ法曹関係者に協同労働や労働者協同組合の立法に至る経緯、現状、将来に向けた課題などを講演しました。(センター事業団埼玉事業本部事務局次長 小林 豊)

分科会には、司法修習生をはじめ、弁護士や議員なども参加

 このフォーラムは、司法試験に合格した司法修習生有志が主催。

 毎回、社会問題・人権問題などをテーマに複数の分科会が開かれますが、今回は、「入管問題」「児童虐待の現状と子どもの権利」「精神科病院と強制入院」などと並んで「協同労働」もテーマの一つに。

 協同労働分科会には「これからの社会をつくる新しい働き方」に関心がある8人が事務局として関わり、労協連田嶋専務と私(小林)が協力。宮城県気仙沼(けせんぬま)市や登米(とめ)市にある協同労働の現場見学も実施しながら準備を進めました。

労働者保護法制の観点から「労協」議論

 当日、事務局代表の守屋智大さんが開催趣旨を述べ、「協同労働への理解と、労働者保護法制の観点から、労働者協同組合で働く組合員の労働者性をどのように捉えることができるのかを深めたい」と提起しました。

 田嶋専務理事が「協同労働という働き方と労協法」のテーマで講演。

 労協法成立の経緯とこの法律のポイントを説明し、経営に関わる組合員の労働者性について、「労働者協同組合法には意見反映原則が位置付けられており、組合員(労働者)は共益権の行使を通じて組合の意思決定に関わり、実質的に経営に参加することになる」と、衆議院法制局の見解を紹介。

 さらに、「組合員は労働契約を締結するので、すべての労働関係法令が適用される」と強調しました。

 法施行後、すでに50以上の労働者協同組合が誕生していることや、労協法の今後の可能性に言及し、「市民や働く人が社会の主人公になっていくためにも、この法律の理念と実践を広げていきたい」と力を込めました。

 続いて、久保木弁護士が、「弁護士の視点から見る協同労働」と題して講演。

 労協法では、労働契約の締結が明記されていることや、協同労働と労働法の関係、民主的経営のあり方、株式会社と労働者協同組合の出資の目的の違いなどを説明。

 過去の判決や係争事例などに触れながら、労働者性について議論する際のポイントを解説し、「意見反映原則の観点から、事業所や現場でどれだけ話し合いを重視しているのかが問われる」と述べました。

 質疑では、「労協法に労働契約の締結が明記された経緯は?」「労働者協同組合の適正規模は?」「今後、どのような分野で労働者協同組合が広がる可能性があるのか?」などの質問が寄せられました。

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 私がこの分科会に関わることになったのは、大学時代に暮らしていた学生寮の寮友が分科会事務局にいたことから。

 誘いを受けて手伝うことになり、学習会の設定や事業所見学の調整など、準備段階から協力しました。

 現場見学では、労協センター事業団南東北事業本部坂本典孝宮城北エリアマネージャー(現北東北事業本部長)をはじめ、多くの仲間の協力で充実した内容になり、見学参加者からは「協同労働のイメージが具体的になった」「世知辛い世の中だが、こんな居場所や働く場がもっとあれば」「地域との共生の意味を実感。事業として発展していることに驚いた」などの感想が。フォーラム当日も、多くの法曹関係者から労協法への期待が寄せられました。

分科会事務局は、事前に現場見学も(センター事業団心りっぷる登米事業所にて)