東海共にはたらくPJ 15分から働けるカフェ 「ワンぽてぃと」見学

本紙 本田真智子

 労協ワーカーズコープ・センター事業団東海事業本部共にはたらくプロジェクトは、働きたいけれど一歩踏み出せない若者やひきこもっている若者が「15分から働ける」カフェ「ワンぽてぃと」(愛知県春日井市)を8月30日に見学し、8人が参加しました。共にはたらくPJの会議をワンぽてぃとで行い、その後、経営する小栗加奈さんから立ち上げの経緯や仕組みなどを聞きました。(本紙 本田真智子)

「働くことで自信を得る場」小栗さん

三女の言葉から

 「ワンぽてぃと」を昨年5月に立ち上げた小栗さん。当時中学生で不登校の三女に、「このまま進学もせず、資格もなかったら、将来社会に出られるのか」という不安を感じていました。また、一度社会に出てもパワハラなどに遭い退職、怖くて次に進めない人がいることも知りました。

 そういう人たちはたくさんいるはず、そういう人たちを受け入れるカフェにしようと思いつきました。

 働く時間の長さについて「1時間や30分は長い、10分は短い、15分ならどう?」と三女に相談すると、「15分なら頑張れそう」の言葉が返ってきました。

 働くハードルを低くして、「15分から働ける」カフェにすることにしました。

席数は34で、さつまいもの黄色を基調にしている

次のステップへ

 「福祉の施設ではないから」と小栗さん。経営を考えて、「有給で15分から働ける」のは2人だけ。働きたいと多くの人が訪ねてくるので、希望者は名簿に載せて空いたら声をかけていきます。また、ボランティアでも受け入れて、気が向いた時に働きに来てもらっています。

 ただ、ランチタイムなどはプレッシャーがあるので、「午後2時くらいからの方がゆったりしている」と話すと、大体の人がそれぐらいの時間に来るように。慣れてくると、「ランチタイムに入ってみる?」「12時から来てみる?」などと声をかけて、徐々に長く働けるように促していきます。

 そして、午前中から長時間働けるようになったら、「あのお店でバイトを募集しているよ。応募してみない?」などと声をかけ、次のステップに進めるようにしていきます。

 これまで、15人以上が就職など次へ。就職して客として来てくれる人も。

 小栗さんは「居場所はたくさんある。でも、働く場がない。働いてお金をもらうということは、自分が役に立っているという自信を得ること」と言います。

 「ワンぽてぃと」の取り組みを「大海原のとまり木プロジェクト」と名づけて理解を広げると共に、15分から働ける場を増やしたいと、講演なども受けています。

ワンぽてぃと経営者の小栗さん(右から3人目)。看板の右には「大海原のとまり木」PJのロゴマークも

サポステなどの利用者が働ける場を

 東海共にはたらくPJには、若者サポートステーション、学習支援、困窮者支援などを行う現場・事業所のメンバーが参加しており、「障害者手帳のない人の就労や体験の場の確保」「サポステ利用者の働く場をつくりたい」という問題意識があります。

 「ワンぽてぃと」の見学は、同じ春日井市でサポステを運営する愛知尾張事業所桑村誠所長の発案です。

 同席した日本労協連事業推進本部の奥平明子さんは「お店の経営もあって、希望者を全て有給で受け入れられるわけではないけれど、ボランティアとして体験はできる。他のところでも導入できるヒントがたくさんある」と話しています。

 岩倉事業所里村直紀さんは、「就職が進まない相談者と一緒にまた来たい」、小林啓示所長は「サポステでも働く練習の場をつくりたいという意見がある。15分から働けることなどのコンセプトは、仕事おこしの参考になる」と感想を。

 東海共にはたらくPJは、仕事おこしのヒントだけでなく、つながりづくりや協同労働を伝えていくためにも、これからも見学を組み合わせた会議を行う予定です。