千葉 習志野地福ぬくもり 谷津地福ひだまり ヤングケアラーの実態把握へ けあらーずカフェ「みんなのおうち」2カ所で
千葉県習志野市の労協ワーカーズコープ・センター事業団習志野地域福祉事業所「ぬくもり」と谷津地域福祉事業所「ひだまり」は、ヤングケアラーの認知度向上とその実態把握をと、8月に実籾(みもみ)地区と谷津地区でけあらーずカフェ「みんなのおうち習志野」を開催しました。習志野市の令和5年度市民協働型委託事業として実施したものです。(本紙 炭谷)

習志野市「市民協働型委託事業」活用して
習志野ぬくもりは、25年前に設立。介護保険制度開始前から通所や訪問介護を始め、現在は障害者介護、高齢者・障害者の配食サービス、学童保育・放課後子供教室、居宅介護支援など多様な事業を行っています。 「みんなのおうち習志野」開催のきっかけは、今年5月に習志野市が「ヤングケアラー つどいの場の提供」をテーマに、今年度の市民協働型委託事業の実施団体を募集していることをぬくもりの藤平洋一所長らが知ったこと。
同じ市内にある「ひだまり」(相談支援、居宅介護支援、通所介護など)にも声をかけ、提案が採択されたものです。
開始から1時間近くたっても参加者が…
1回目の「みんなのおうち」は、8月19日に実籾地区にある東習志野コミュニティセンターで開きました。
フードバンクちばから食材の提供を受け、ぬくもりとひだまりのスタッフ8人が30人分のカレーとホットドッグを用意。
開催はタブレット経由で小・中学生に通知していたものの、11時の開始から1時間近く経っても来場者はゼロ。待っていても人は来ないと、ぬくもりの白石明子副所長らがチラシを持って呼びかけに出ていきました。
しばらくすると、サッカー部の練習帰りという中学1、2年生4人組がやってきました。
「今日は誰も来ないかも…」と、テーブルに突っ伏していた藤平所長は顔を上げて、思わず「来たー」と歓声。

中学生たちは簡単なアンケートに答えた後、スタッフから山盛りのカレーとホットドッグを受け取ると、「こんなにもらっていいんですか?」と恐縮気味でしたが、瞬く間に平らげ、「また参加したい」「今度は友達も誘ってくる」と会場を後にしました。
この後、外でチラシを見たという、3組の親子連れが訪れ、この日は計12人の参加がありました。
3人の子どもを連れてやってきた女性は、「船橋市の中学校で養護教諭をしている。ヤングケアラーと思しき生徒に出会ったことはまだないが、説明を聞いて身近な問題だと感じた」と話してくれました。
予想を超えるペースで35人が来場
2回目は26日に開催。谷津コミュニティセンターが会場です。
この日はひだまりの青山千詠子所長と本川秀樹副所長をはじめ、佐久間太さん、石井英朗さん、西森奈津子さんが運営。ぬくもりの白石副所長、労協センター事業団東関東事業本部山田浩史本部長も駆けつけました。
前回の反省を活かし、開始前からコミュニティセンター併設の図書館利用者や公園で遊んでいた親子などにチラシを見せて声をかけると、続々と来場者が。青山所長らがアンケートをとりながら、ヤングケアラーについて説明したり、生活上の困りごとなどを聞いていました。

ここでもヤングケアラーはやってきませんでしたが、35人が訪れ用意したカレーとホットドッグが1時間でなくなってしまうほどの盛況ぶりでした。
子育て世帯訪問支援事業につなげる
終了後、青山所長は、「『友人がヤングケアラ―だった』『知識としては知っている』などの声を聞くことができた。実態調査はなかなか難しいが、ヤングケアラーの存在を周知していきたい。『次は手伝いたい』という地域の人にも出会うことができた」。
山田本部長も、「一般の方にヤングケアラーについて知ってもらう機会になった」と感想を。
今後、冬・春休みにも「みんなのおうち」を開き、11月4日には、ヤングケアラーをテーマにしたシンポジウムを開催する予定です。
藤平所長は、「習志野市の子育て支援課が把握しているヤングケアラーは20件ぐらい。市でも対策に力を入れようとしている。秋には、ヤングケアラーを支援する市の事業『子育て世帯訪問支援事業』が公募されるのでぜひ受託したい。介護と子育て支援を複合的に行っている、私たちこそがやるべき事業」と意気込んでいます。