山口・光で WC連合会 小農・森林ワーカーズ農業講座 本格的全国展開へ人材育成
第2回小農・森林ワーカーズ全国展開推進研修会(農業講座)が、10月18〜20日に山口県光市で開かれ、埼玉から鹿児島までの仲間、49人が参加しました。この講座は、ワーカーズコープ連合会が主催し、「みんなで作ってみんなで食べる田んぼ」と銘打ち米作りをする労協ワーカーズコープ山口(WC山口)が受け入れました。労協ワーカーズコープ・センター事業団顧問の黒木義昭さん(元JA広島中央会専務)が講師を務めた座学と合鴨を捌いて食べる「いのちをいただく」で、小農・森林の取り組みの大切さを学びました。(本紙 本田真智子)
JA山口県金子前組合長も期待
農業講座は、小農・森林ワーカーズの取り組みを事業所・地域で本格化し、全国展開を進める中心的な人材を多数育成することを目的に、初回は5月に鹿児島県霧島市で開かれました。
初日は、日本社会連帯機構代表理事の永戸祐三さんが「この講座を経て、すべての組合員、現場・事業所が協同労働で農的なことや山の仕事に取り組む全国的な流れをつくろう」と呼びかけました。
来賓のJA山口県金子光夫前組合長は、WC山口が田んぼを借りられなくて困っていた時に、力になってくれました。「労協法の成立とWC山口の法人移行を同じ協同組合の仲間として喜んでいる。 JAとしても地域の課題解決について、皆さんに大きく期待している」。

WC山口末永一博理事長は「米作りを始めて15年目。田んぼを借りられない時もあったが、採れたもち米で一緒に餅つきをする時の子どもたちの笑顔が浮かんで続けられた。そして、組合員一人に一俵を配れるようになった。3日間を実りあるものに」と歓迎しました。
村づくり、地域づくりの視点を

黒木さんは「小農は哲学だと思う。人間はどんなに頑張っても食べることから逃れられない」と語り出し、「人間は何を食べてきたのか」「増加する人口に食料増産は可能か」「農業は生命産業」「地産地消とは何か」「今なぜ、小さな農業なのか」「食の安全・安心と食料生産」の6つのテーマについて、初回から磨き上げた自作のテキストを使い講義。
人口や公害問題、食の安全性、農業政策などに触れて、「農業を食料自給の視点だけで考えるのは間違い。農村に人がいかに快適に住むかの議論を最初にして、政策を立てていくという発想があってもいいのではないか」と強調しました。
参加者からは、「人間の生活そのものが農業につながっていることに気付かされた」「持続可能な農業には担い手育成が必要不可欠。農業を知って好きになってくれる人を増やしたい」「保育園の子どもたちをたくましくするためにも、小農(野菜づくり)を続けたい」「野菜を育てているが、農薬を使わないというのがルールになっている。農薬の話を聞いて、今の方法を続けていこうと思った」「食の安全について考えさせられた。現場で、食の安全や衛生面について、もう一度学ぶ機会を設けたい」などの感想がありました。
ワーカーズコープ連合会古谷直道元理事長、地域協同組合無茶々園大津清次代表、WC山口村﨑忍理事も取り組みを話し、センター事業団玉木信博専務理事、竹森鉄専務補佐もあいさつ。
ワーカーズコープ連合会古村伸宏理事長は、「小農は、多様な人たちと地域をつくっていく、主体的体験的なプロジェクトと位置付けると、裾野は大きく広がり、活動が多様になっていく」と指摘しました。
センター事業団奥治副理事長が「2回の交流会は楽しいものだった。振る舞われた宇部のれんこん、米、猪、合鴨、どれも本物だと強く思った。WC山口でやってよかった。WC山口は自分たちが決めたことだからと、田んぼを借りられなくても米作りを諦めなかった。誰かに言われてやっていたら、諦めていたという。自己変革と飛躍の力が生まれている。それが小農・森林ワーカーズネットワークの運動で、全国に蒔かれていくだろう。この運動は必ず飛躍の時が来る」と鼓舞しました。

合鴨を捌いて交流会で食べる
みんなで作業が大切
連日、終了後にWC山口本部事務所で行われた交流会。WC山口の仲間が準備に力を発揮しました。1日目はWC山口が作ったもち米を使った餅つき。2日目は、合鴨農法で育てられた合鴨を庄田淳さん(介護施設調理員で獣害駆除に取り組む)の指導で捌き、鍋と焼き鳥にしていただきました。また、差し入れの猪肉もピザ窯などで焼いて賞味。合鴨も猪も噛むと旨味が溢れて、参加者は「美味しい」と頬を緩ませていました。


合鴨捌きについては、「私たち人間はこうやって生きてきたんだと、命の尊さを感じた」「みんなで作業をすることが大切だと感じた」など。交流会には「他事業所の現状を聞き、経営や加工品販売について参考になった」「いろんな人と知り合うことができ刺激になり、労働意欲も湧いている」などの感想が。また、多くの人がWC山口の仲間の労に感謝を述べていました。
