前橋地福さわやか 大室学童クラブすくすくらんど 地域で支え合い 5周年 高齢者サロンの募金箱に小銭で1万円以上 

本紙 福本

 労協ワーカーズコープセンター事業団前橋地域福祉事業所さわやか(群馬県、デイサービス・学童)が運営する、大室学童クラブ「すくすくらんど」は、「開所5周年記念式」を3月31日に開催。36人が参加しました。開所に尽力した関係者がお祝いに駆けつけ、地元大室小学校を卒業した子どもたちの卒所祝いもサプライズで。秋山多恵所長たちは、「次は『富山型デイサービス』」と夢を膨らませています。(本紙 福本)

前列右から高橋市議、澤野校長、木村西大室町自治会長、高橋前西大室町自治会長、松村元東大室町自治会長、山田真範元大室小PTA会長。右端が秋山所長

開所日(3・31)に記念式

 3月31日は、大室学童を開所した日と同じ日で、事業継続「丸5年」の節目に当たります。

 開所式にも参加した田中羊子理事長が、「人手が足りず、大変な時期もあったが、そのことを率直に地域の人たちに相談できる関係を築けていたから活動を続けられた。一事業者の努力だけでは解決できないほど担い手不足は深刻。働き方やコミュニティのあり方が急激に変わっていく中で、子どもを預かるだけでなく、皆さんと力を合わせて地域の課題解決に役割を果たしていきたい」とあいさつ。

「感謝しきれない」 

 開所に力を尽くしてくれた高橋照代市議は「この地域に学童をと、準備段階から関わってきた。地域の人たちやPTA、そして何よりも、デイサービスさわやかの皆さんが『地域のために』と引き受けてくれたからこそ今がある。感謝してもしきれない」。

 開所当時の西大室町自治会長、高橋忍さんは、「5年前の開所式を思い出すと今でも…」と言葉を詰まらせ、「学童支援の文書を町内全戸に回し、高齢者が集うサロンにティッシュペーパーの空箱で作った募金箱を置かせてもらった。中を見ると、小銭だけで1万円以上集まっていて、地域の人たちの心映えにとても感動した。立ち上げるのも継続するのも大変だが、時々の課題に向き合って解決していくことが大事。私たちも協力するので継続してほしい」。

地域の貴重な居場所

 元大室小学校PTA会長の山田真範(まさのり)さんは、「高橋市議や校長先生と、学童を作れないか3人で話し合ったことが昨日のことのよう。10周年、15周年、20周年と続いていくことをお願いしたい」。

 当時、東大室町自治会長の松村長治さん、木村繁夫西大室町自治会長、澤野尚人大室小学校校長もあいさつ。 この日で役職定年を迎える澤野校長は、「昔のように、外で遊んでいる子どもに地域の大人がいろいろ教えてあげられる時代ではなくなったが、大人に見守られながら、安心して過ごせるすくすくのような居場所は大変貴重。もっと学童と話し合う機会を持ってもよかった」と話しました。

卒所証書授与式も

 保護者や地域の人たちのお祝いメッセージが読み上げられた後、卒所する子どもたち3人に卒所証書を贈る「授与式」を“サプライズ企画”として行いました。名前を呼ばれた子どもたちは、それぞれの持ち味や良い点を伝えられ、神妙な面持ちで証書を受け取りました。

 授与式の終了後、子どもたちに気分を尋ねると、はにかみながら「嬉しい」と。

証書を手にする左から松野陽向(ひなた)さん、井上隼さん、岸愛紗(ありさ)さん。両脇はスタッフ

 スタッフの紹介や経営状況の説明が行われ、秋山所長があいさつ。

状況を包み隠さず相談

 就任当時を振り返りながら、「昨年6月末にスタッフ2人が辞め、その少し前に所長になっていた。子どもが一気に増える夏休みが目前だというのに人手が足りず、『このままだとやっていけなくなる』と高橋市議に相談。『それなら、地域の人たちに集まってもらおう』と、その場で高橋前自治会長と民生委員の森田房江さんに連絡してくれ、PTA会長も交えた話し合いが実現。人手不足など、学童の状況を包み隠さず伝えると、高橋会長から、『地域の観昌寺住職、中澤賢正さんが、“補助員ならうちの息子の嫁がいる”と言っていた』という話しがあり、それを聞いて思わず泣いてしまった」とエピソードを紹介。

 さらに「市のこども施設課の担当者にも助けてもらった。開所要件や人員配置などを1から丁寧に教えてもらいながら経営の適正化を進めていることを地域の人たちに伝えると、『それなら協力する』と言ってもらえた」とも。

「富山型デイ」が夢 

 今後については、「『富山型デイサービスをやりたいね』とみんなで話している。高齢者も障害者も子どもも一つ屋根の下で一緒に過ごす『居場所』をつくることが夢というか目標」と話し、「みなさんにお願いすることもあると思うが、ぜひ協力を」と呼びかけました。

 相良孝雄センター北関東事業本部長が、「自分の子どもが学童に通っていなくても、開所に向けて支援を募った『募金箱』に小銭を入れてくれた高齢者の話などは本当に感動した。市議も、校長先生も、保護者も、手伝いに来てくれる子どもたちも、地域のためにみんなで力を出し合って働く、本来の公共はそういうものだと思う。すくすくは、それを体現していることを、今日、改めて確認できた。人と人のつながりを大事にする職場や地域を、これからも一緒につくっていきましょう」と締めくくりました。