東京統括センター 杉田大さん寄稿 川内村観光大使に任命されました

杉田 大


 東日本大震災・福島第一原発事故から13年。労協ワーカーズコープ・センター事業団東京統括本部の杉田大(ふとし)さんは、福島の原発事故被災地で出会いとつながりを広げながら応援活動を続け、4月からは福島県川内村の観光大使を務めることになりました。杉田さんの寄稿です。

きっかけは坂本龍一さんの記事

 福島第一原発から4キロほど離れた福島県双葉町で今年の3月11日を迎えました。

 私が原発事故被災地へ頻繁に通い始めるようになったきっかけは、音楽家の坂本龍一さんが福島の帰還困難区域を訪れたことを報じた新聞記事でした。10年前のことです。

 「原発を推進してきた人、推進しようとしている人に被災地の現実を見てもらいたい」という坂本さんの言葉に触発され、以来、休日に時間をつくっては現地に足を運んでいます。

倒壊したまま放置された家屋も多数(双葉町にて)
整備されても人が戻らない市街地)

 7年前からは、個人活動として「復興支援 杉田商会」を立ち上げ、浪江町産のコシヒカリを使ったポン菓子やせんべいなどを製造・販売しながら、風評被害に悩む生産者を応援してきましたが、当初は商品化に苦労しました。

 全量全袋検査で安全性を確認しているにも関わらず、「原発事故で汚染されている米」の誤解もあり、100社以上に断られ続けましたが、城南信用金庫などが毎年開く地域創生イベント「よい仕事おこしフェア」で出会った岩手の菓子業者が、「あなたの熱意に負けた」と請け負ってくれたことから、商品化に結びつきました。

 現在、ポン菓子やせんべいは、道の駅「なみえ」や物販イベント、ネットで販売しており、浪江町に隣接する町村からも、地元のお米でポン菓子を作りたいという相談が寄せられています。

ポン菓子を持つ杉田さん

村の商工会会長からの推薦で

 これまで、浪江町や飯館村、南相馬市で地元の生産者と一緒に農作業や、農作物と加工品の販売などをしてきましたが、昨年からは、川内村のお米を使ったポン菓子の製造・販売も開始。

 こうした活動を知った、川内村商工会の井出茂会長の推薦で、今年4月から、川内村の観光大使を務めることになりました。

 のどかな田園風景が広がるこの村には、ホタルや天然記念物のモリアオガエルが生息する一方で、村の中心部が福島第一原発から30キロ圏内にあり、一時は原発事故の影響で全住民が村外に避難しました。

 16年に避難指示が解除されてからは徐々に帰村する人も増え、現在は約2千人弱(震災前は約3千人)が暮らしていますが、若い世代の帰村が進まず、コミュニティづくりも課題です。

 当初は、「観光大使って何をするの?」「きれいな風景をPRするだけ?」と悩みましたが、井出会長には「コミュニティづくりをやりたい」と伝えました。

 まずは小学生たちと田植えや稲刈りのイベントを行い、収穫したお米でポン菓子やせんべいを作り、村民や村に訪れた人に届けようと考えていますが、この他の事業計画はまだ白紙。

 現地で感じたこと、目に映ったこと、聞いたことを大切にしながら、村の人たちと一緒に活動を考え、役割を果たしていきたいと思います。

 これからも、私ができることを諦めず、一歩ずつ行いながら、福島を応援していきます。

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