岩手 「ワラタネスクエア奥州」開所 「北上笑いのたね」誰でも利用できる居場所
労協ワーカーズコープ・センター事業団北上笑いのたね事業所(岩手県北上市)は、奥州市から「ひきこもりサポート事業」を受託し、不登校やひきこもりに関係なく誰でも利用できる居場所「ワラタネスクエア奥州」を4月2日に開所しました。奥州市主催の開所式には、倉成淳市長をはじめ、市福祉部職員、市民生児童委員連協副会長、行政区長、地域の人など約30人が出席。報道関係者も多数参加し、新聞やTV、ネットなどで報道され、注目の高さに身が引き締まる思いです。(北東北事業本部長 坂本典孝)

開所式は市が主催
倉成市長「当事者視点を学ぶ上でも必要」
ワーカーズに合流
北上市で、不登校やひきこもりの人を中心に誰でも利用できる居場所「ワラタネスクエア」を開いていた後藤誠子さんをはじめとするメンバーが、TVで協同労働を知ったことをきっかけにして、2022年にワーカーズコープと合流し、北上笑いのたね事業所として新たにスタートしました。
対象者、年齢などを限定しない居場所として、北上市で実績を積んできたことが、隣の奥州市からも評価され、ワーカーズとしては初の奥州市での現場の誕生になりました。
市民と育む
開所式では、倉成市長が主催者あいさつ。「全国には、ひきこもり状態にある方が146万人おり、国は昨年『孤独・孤立対策推進法』を成立させた。その理念に基づき、住民・市民が支え合いながら安心して過ごせる居場所をつくることを目的にワラタネスクエア奥州を設立した。ひきこもりに対してはネガティブなイメージがあるが、見方を変えればお互いの価値観を尊重し合える。そうした視点を当事者の方々から学ぶ上でも、行政にとっては必要な機能であると感じている。この居場所を市民とともに大切に育んでいきたい」と力強く話されました。
続いて、センター事業団佐々木洋志常務理事が「市民・住民の方々に気軽に集まってもらい、その人らしい生き方・暮らし方ができる拠点として育てていきたい」とあいさつ。
その後、関係者によるテープカットを行い、後藤所長が職員を紹介。続けて未明に岩手で震度4の地震があったことに触れ、「東日本大震災の時、ひきこもっていた方が逃げずに自宅に留まり、津波にのまれたことを思い出した。きっといろいろな思いが駆け巡っていたのだと思うが、何よりも人目に触れることがとても怖かったのではないか。そのような状況になる前に、地域に出て、地域の中で支え合える関係性をつくることが必要。誰もが活き活きと幸せに過ごせる地域をつくっていきたい」と決意を込めてあいさつしました。

初日から来訪が
ワラタネスクエア奥州は、木造2階建ての一軒家で相談室やフリースペースを設置。初年度は毎週火・木・土の13~17時のオープンで、利用は無料。支援員4人が家族同士の情報交換の場も目指しながら運営していきます。
東北新幹線のトラブルで開所式に間に合わなかった平本哲男理事長は、夕方に到着し、その足で奥州市役所を訪問。高橋清治福祉部長に改めてあいさつすると、「市内のあらゆる関係団体と連携を図りながら、ネットワークが広がる取り組みを期待します」との激励の言葉を頂きました。その後、平本理事長は現場に赴き、仲間に激励する場面も。
早速、SNSを通じて「ワラタネ」に関係する方々が初日から訪れるなど、ワラタネの“発信力”には我々も学ばされるところです。今後、ワラタネスクエア奥州を拠点に、新たな展開を生み出せるように取り組んでいきます。