放デイ「みらい雲南」開所 センター・島根 「足りない」「家で見ていて働けない」を解決しようと
島根県にある労協ワーカーズコープ・センター事業団島根みらい事業所は、6月から雲南市三刀屋(みとうや)地区で放課後等デイサービス「みらい雲南」を開始。5月31日には開所式を行い、16人が参加しました。センター事業団としては、島根県で初の子育て分野の仕事で、自治体行動の中で放デイが足りない、子どもを家で見ていて働きにいけないなどの課題を聞き、立ち上げました。(本紙 本田真智子)
同じ労協法人として、手を取り合って
仲間として


開所式では、山陰山陽事業本部副本部長兼島根みらい事業所の所長、大谷信一さんが5年前に島根県地域若者サポートステーション を受託したことから始まった県内でのセンター事業団の歩みを紹介し、「8年前に、鳥取で組合員が障害のある子どもの預け先がないという課題から放デイを立ち上げ、その後就労継続支援B型も。その組合員は今度副所長に。地域の課題を解決していくのがワーカーズ。雲南市でも仲間として受け入れてもらえるようによい仕事を頑張っていく」と力を込めました。
2月に設立された労協うんなんの秦美幸(はたよしゆき)代表理事も駆けつけ、「隣の地区で放課後子ども教室を開き40人の子どもたちを見ているが、子ども教室に来られない子もいる。本当にいい事業を始めてくれたと感謝している。同じ労協法人として手を取り合っていこう」と力強くあいさつ。

ワーカーズコープ連合会理事長の古村伸宏さんは、「地域のことは地域住民が自立してやるという小規模多機能自治の中心的な自治体である雲南市で、センター事業団が拠点を構えるというのは、特段の意味がある。協力し合って生きていく社会づくりを目指してほしい」と激励しました。
非常に嬉しい
社会福祉法人雲南ひまわり福祉会施設長の松林哲也さんは「放デイをやっているが、要望に応えきれていない部分があり課題と感じていた。今回の開所を非常に嬉しく思っているし、協力し合いながらやっていきたい」。
雲南市政策企画部地域振興課の大谷吾郎さんは「いろんなことの担い手が不足している中で、新たに取り組みいただけることに大変感謝している。地域と事業所がうまく連携した形でまちづくりを進めていければ」とあいさつしました。
問い合わせたくさん
職員紹介では、児童発達管理責任者・管理者の石㟢斉(ひとし)さんが「市に放デイが足りない。問い合わせもたくさんいただいて、契約を待っている児童もいる。自治会の皆さんと一緒に地域のゴミ拾いなど、外に出ることが楽しいと思えることをやっていきたい」。
非常勤の保育士、石倉希望(のぞみ)さんは「利用希望の子どもが見学に来た。室内を走り回る姿に改めて頑張っていかないとと思った」、常勤の保育士、大島智子(さとこ)さんは「子育ての経験と保育士としての知識を生かして、寄り添った支援を目指していきたい」、明正(めいしょう)知之さんは「教員からスタートして、10年ぐらい福祉の経験がある。児童一人ひとりに寄り添いながら、発達につながることを一緒にやっていければ」と抱負を披露しました。
九州事業本部本部長代行の牛草賢二さんが「多くの方たちとの出会いで放デイみらい雲南が立ち上げられた。皆さんに感謝したい」と閉会あいさつをしました。
みらい雲南は利用定員が10人。他の放デイよりも30分長い午後5時半までの預かりや、土曜日の開所が特徴です。また、日中一時支援も併設します。
現在、契約2人、保護者と調整中1人、見学4人。年度途中で、現在子どもたちが利用している放デイとの調整があり、子どもたちの声が聞こえるのは7月からになりそうです。
「地域が自分たちを巻き込もうとしてくる」
島根みらい事業所 大谷所長

5年前に島根に着任してから自治体回りをずっとしている。ワーカーズコープ連合会の古村理事長から、雲南市の小規模多機能自治の担当者を紹介してもらっていたので、よく訪問していた。合わせて、他の部署も回ったが、その時に障害福祉課の方から、放デイが足りない、さらに養護学校と放デイの送迎がなく、子どもを家で見ている家庭があり、共働きなどができず、障害のある子のいる家庭の世帯収入が低いのが課題と聞いた。その課題を市議会で質問した議員も紹介してもらい、話を聞く中で、自分が鳥取県で放デイを立ち上げた経験もあり、「解決しよう」と決意した。
雲南市は地域自治組織が40あり、地域のことは自分たちでやろうという意識がある。協同労働と親和性が高い感じだ。労協うんなん、コミュニティナースカンパニー、「おたがいさま雲南」(生協の組合員のボランティア団体)など、協力してくれる団体がたくさんある。
雲南市の職員も気さくに私たちの話を聞いてくれるし、地域の団体もいろんな人を紹介してくれる。「この人とつながったらもっとこの町は良くなる」と会合などにも誘ってくれる。
地域に出ていくのではなく、地域が自分たちを巻き込もうとしてくる感じだ。ここにワーカーズの拠点をつくったら、地域の資源として上手に活用してくれるような印象を受けた。
来年には市がひきこもり支援センターを始めるので、それを指名で受けられるように、ひきこもり支援の機能を持つ「みんなのおうち」を作って準備しておきたい。