日本高齢協連 第23回通常総会 多様なニーズに応える高齢協へ 役員交代 曽我会長、薄井専務理事に

本紙 福本

 ワーカーズコープ連合会準加盟組織の日本高齢者生活協同組合連合会は第23回通常総会を6月8日、ワーカーズコープ連合会本部(東京・池袋)で開催し、オンライン含め62人が参加しました。介護が必要な高齢者中心の事業からの転換を改めて明確にし、多様なニーズに応えられる高齢協に転換していく方向を打ち出しました。高見優会長理事が退任し、曽我秀秋専務理事が新たな会長理事に選ばれました。(本紙 福本)

会長理事に就任した曽我さん

介護保険中心の事業を越えて

 高見優会長理事が、今後の連合会活動に期待を寄せながら、今日の総会で退任する旨あいさつ。公益財団法人 生協総合研究所の鈴木岳(たかし)研究員と、ワーカーズコープ連合会の古村伸宏理事長が来賓あいさつを行いました。

「1人でも高齢協運動を行う」と退任後について語る高見さん

 曽我秀秋専務理事が議案提案。「介護報酬改定に翻弄されるのではなく、介護保険制度改悪を許さない運動を強めていこう。来年は2回目の国際協同組合年。高齢協も協同組合としての自覚をさらに高めながら、関連行事にも積極的に関与していきたい」と基調を話し、23年度事業報告では、「高齢社会を生きるすべての世代が共に支え合い、安心して暮らし続けられるまちづくりを目指す」と掲げた「中期計画ビジョン」を作成したことにふれ、「ビジョンを有効に活用して単協の活動につなげてほしい」と呼びかけました。

 24年度の活動方針では、多様なニーズに応えられる事業への転換について。「単協の事業は、介護保険がベースの介護事業や在宅介護事業が中心だが、3万9000人いる組合員のうち、介護保険の利用者は圧倒的少数。大多数の組合員にはもっと多様なニーズが存在するはず。介護保険を軸に据えた事業から脱皮する必要がある」と強調し、ケアの現場で使われる「利用者」という表現を介護保険の利用者と狭い範囲で捉えず、高齢者の暮らしのニーズを徹底して洗い出し、仕事につないでいくことの必要性を訴えました。

「就活サポート事業」の討論も

 その後の質疑討論で、「就活サポート事業」にかかる議案について、京都高齢協の小室あゆみさんは「終活サポート事業の預託金は利用者の資産。経営破綻した場合でも払い戻しが受けられる(本制度整備を)とした部分が内閣府のガイドラインのポイント。終活サポート事業に取り組む単協もあるが、連合会が預託金管理を担えば、ガイドラインに則った組織として社会的信用が高まる。同様の事業者が連合会に結集し、ルールなどを統一できれば、窓口を一本化し、相談受付や書式の共有、弁護士など専門職への相談も可能。単協で担うよりコストも抑えられる」と、賛成の立場から発言しました。

 長野高齢協の小林幸代理事は、組合員活動や松本市から昨年受託した「ヤングケアラー支援事業」の取り組みについて。

 香川高齢協の池田章子理事長は、2012年に仕事の幅を広げる目的で立ち上げた一般社団法人香川県高齢者支援協会以来となる新たな法人格(社会福祉法人)取得を目指した取り組みについて。「取得後には、香川高齢協で行っている福祉事業の一部を新法人に譲渡。検討は前向きに進んでいる」。

 大阪高齢協の橋本篤副理事長は、1泊2日で行った事業計画合宿の様子を報告。「初日は、4月からの介護保険制度の改正や、連合会中長期ビジョンの読み合わせ、協同組合の基本的な内容や経営指標の見方などを勉強し直し、2日目は事業所ごとに話し合い、それぞれの3年後の目標を立てた。『場所の移転』『終(つい)の住処(すみか)を作る』など具体的な意見も出され、『そのためには家族会を行おう』『利用者ニーズの把握をしっかり行おう』という話も」。

 8人が発言しました。

 全議案「賛成多数」で承認。曽我秀秋会長理事を選出し、佐藤康浩副会長理事、薄井有三専務理事を加えて新三役。新設した専務補佐に本間紀子さんを選任しました。

 大阪高齢協の岩浅えり子さんが退任理事を代表してあいさつしました。