協同総研第12回通常総会 協同労働が社会化 実践に活かせる研究さらに 労協の意義深める記念企画も
一般社団法人協同総合研究所は、第12回(通算34回)通常総会を6月23日に、東京・池袋のワーカーズコープ連合会本部とオンラインで開催。70人が参加しました。総会後には記念企画「なぜいま 労働者協同組合を選ぶのか」が開かれました。(本紙 炭谷)
大高研道理事長(明治大学教授)が、「2022年に施行された労働者協同組合法は大変優れた法律だが、法律単体を取り上げてその意義を語っても、協同労働運動への共感・共振は限定的なものになるだろう。この法律を通じて、働くものがどれだけ主体性を獲得していくのか、そして、協同を地域の中にいかに広げていくことができるのかが問われている。その意味でも、協同総研の役割はむしろ大事になってくる。しっかりと研究基盤を作っていきたい」とあいさつ。

利根川德専務理事が議案提案。
23年度の研究活動について、「現場にも入りながら、新たに設立された労協法人や特徴的な取り組みを積極的に『協同の発見』誌で紹介。社会的連帯経済や気候環境など、多様な研究分野との研究交流を深め、総合的に協同(労働)を研究した1年だった」と総括。
24年度のテーマは「多様な労働者協同組合の設立がはじまり、協同労働の社会化がすすむ。時代の変化を読み取り、『協同』による社会づくりにむけて実践者と研究者の協同を深めよう」。
利根川専務理事は、「労協法の活用や協同労働にかかわる研究をさらに進めながら、27年の労協法改正に向け、現行の法制度の課題を明らかにし、法改正議論の一助となるように努めていきたい」と語りました。
質疑があり、全議案を採択。古村伸宏副理事長(ワーカーズコープ連合会理事長)が、「労協法によって協同労働の裾野が広がっている。研究に値する実践と、実践に活かせる研究を通じて、実践者と研究者が共に高め合う活動をさらに進めよう」とまとめました。
CS神戸、労協キフクトが報告
「なぜいま 労働者協同組合を選ぶのか」をテーマに開かれた記念企画には、会場・オンライン合わせ92人が参加。

前半は認定NPO法人コミュニティー・サポートセンター神戸(CS神戸、市民団体の設立・運営支援を行う中間支援組織)の中村順子理事長と、神奈川県大和市の労働者協同組合キフクト(造園、緑化など)の佐藤光宏代表理事が、設立支援と実践の立場から取り組みを報告。後半の対話セッションで労働者協同組合の意義を深めました。コーディネーターは藤本穣彦常任理事(明治大学准教授)。
労協の基本原則は民主主義の基本
CS神戸の中村さんは、「みんなが対等な立場で、お金を出して(出資)、働き(従事=協同労働)、意見を出し合って経営する(意見反映)という労働者協同組合の原則は、民主主義の基本。今の社会にとって、とても大事なことだと思う。CS神戸でも昨年から『協同労働ミニワーカーズ実践塾』を開講し、3つの労協法人が生まれた。地域づくりの有力な器の一つが労協。どんどん増やしていかないと」。

佐藤さんは、キフクトが目指す庭づくりと労働者協同組合の共通点について、「私たちの庭づくりのやり方は、庭の自然をコントロールするのではなく、自然と対話しながら行うケア、脳科学者の養老孟司さんの言葉を借りれば『手入れ』がしっくりくる。手入れとは、もともとあったものの価値を認め、それに手を入れながら折り合いをつけていく技術のこと。私たちが目指す庭づくりと労働者協同組合の運営はピタッとつながる気がしている」と話しました。

藤井恵里理事(ワーカーズコレクティブネットワーク ジャパン代表)が締めくくりました。
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記念企画の詳細は、協同の発見7月号に掲載されます。