沖縄・那覇 みんなのおうち よりみん 開所 子どもの居場所 からスタート 「おから味噌床」で就労の場も

本紙 炭谷

 労協ワーカーズコープ・センター事業団沖縄事業所(病院清掃など)は、昨年11月、那覇市寄宮(よりみや)の事務所に「みんなのおうち よりみん」をプレオープン。子どもの居場所活動などに取り組んできましたが、7月6日に開所式を開きました。これに合わせて、おから味噌床の販売を開始、活動を本格化しました。(本紙 炭谷)

城間さん

城間さんとおから味噌床。「ぜひ購入を」

「やりたいことたくさん 妄想が暴走している」

捨てられる島豆腐のおから再利用

 「よりみん」は、昨年12月、月1回の子どもの居場所から活動をスタート。ムーチーなどの沖縄のおやつ作りや季節ごとの行事にちなんだ工作などを行ってきました。

 おから味噌床づくりは1月から。社会連帯機構沖縄地方本部(社連沖縄)の評議員でビーガンレストラン(植物性食材を使った料理を提供するレストラン)を営む中曽根直子さんの提案を受け、島豆腐のおからの有効活用やシニアの就労の場づくりなどを目的に始めたもの。

おから玉をつくり
おから玉を樽に敷き詰め3カ月以上寝かせて完成


 現在、中曽根さんの指導を受けながら、勤めていた病院を定年退職した管理栄養士の又吉菜摘さんと城間えり子さんをはじめ、数人で週2回行っています。

 立ち上げの中心になってきた城間さんは、「製造の仕事は初めてなので試行錯誤の連続ですが、発酵食品の力と作業の奥深さを作業のたびに学んでいます。おからは地域資源だし、味噌床づくりはアップサイクル(資源の再利用)につながるもの。いずれは就労の場になるよう販路を広げていければ」。

 今のところ、地域の韓国料理や焼き芋屋、居酒屋などで販売をはじめる予定ですが、「他の市販品よりいい材料を使っているので少し割高ですが、全国の皆さんにもぜひ購入してもらいたい」と話しています。

社協を定年退職し、ワーカーズへ

 城間さんは、那覇市社会福祉協議会の職員として、子どもを支援する団体のコーディネートやネットワークづくりを担当していましたが、2年前に定年退職。

 在職中から、自身が取り組んでいた平和活動を通じて、社会連帯機構の藤田徹専務理事らと知り合い、沖縄でのワーカーズの催しにも度々参加していました。

 子どもの貧困や生活困窮世帯への支援を通して、居場所や地域づくりの大切さを実感してきた城間さんは、ワーカーズの取り組みを聞く中で「みんなのおうちなら、貧困を生まない、施しではない本当の自立に向けた活動ができるかも」と、定年を迎えた年の10月に入団しました。

都市化で希薄になる「ゆいまーる」

 よりみんの運営には、子育て中の母親や地域で何かやってみたいというシニア世代の人たち、地元小学校のPTA会長、一級建築士など多様な人たちが関わっています。

 6月には社連沖縄が糸満市で開催した、映画「医師中村哲の〜」の上映会でも協力を呼びかけたことで仲間がさらに増え、現在は15人に。

 プレオープンから8カ月。「都市化によって、地域の中で『ゆいまーる』(助け合い)の文化はますます希薄になり、孤立する家庭や見えない貧困も増えている。貧困の連鎖をつくらないためにも、予防的観点から活動を広げていきたい」と城間さん。

 今後について、「子どもたちを対象にした食や農、芸術などの体験型企画や学習支援、高齢者や親子が楽しめるワークショップ、ゆんたくカフェやフードドライブ…… やりたいことがたくさんあって妄想が暴走しています(笑)。地域包括支援センターやさまざまな地域の関係機関や団体と連携しながら、多世代型の地域コミュニティをつくっていきたい」と意気込みを話しました。

開所式

100人参加 「地域で応援していく」

 7月6日に那覇市・JAおきなわ真和志支店で開かれた「よりみん」の開所式には、地元自治会や小学校、社会福祉協議会関係者をはじめ、地域の人たちなど約100人が参加。この日から販売を開始したおから味噌床の試食会も開かれ、多くの人たちが買い求めました。

開所式には、地元自治会を始め地域から約100人が参加


 式典は、子どもたちによる祝儀舞踊「かぎやで風」で幕を開け、沖縄事業所の中瀬隆明所長が開会あいさつ。

 法人を代表してセンター事業団平本哲男代表理事があいさつ。「経済格差の広がり、人と人との関係性の貧困も進む中で、誰にでも役割があり、人の温もりと幸せを実感できる地域づくりに向かっていきたい。一緒に活動を盛り上げてほしい」と呼びかけました。

 寄宮(よりみや)二丁目自治会の島尻香雄(こうゆう)会長が、「居場所活動だけでなく、沖縄の伝統的な食文化を活かした就労の場づくりに共感。地域のみんなで応援していく」と激励。

島尻寄宮二丁目自治会長


 「なは子どもの居場所ネットワーク」を運営する、那覇市社会福祉協議会の川満正人会長は、「ネットワークには「『よりみん』を含め約70の子どもの居場所が加入。地域と一緒に持続可能な地域づくりを目指すワーカーズコープは心強い存在。末長い活動を」と期待を寄せました。

川満那覇市社協会長

本当に豊かな地域づくりのために

 式の後半は、おから味噌床のお披露目会。

 城間えり子さんが活動内容と試食品を紹介。テーブルに並んだ野菜の味噌漬けを始め、油味噌やディップソース、ナントゥもち(沖縄の伝統菓子)などを口にした参加者からは、「おいしい」「思ったよりさらっとしている」の声が。この日は予約を含め80個の味噌床が売れました。

味噌床をアレンジした料理も
この日は80個を販売

 社連沖縄の島袋隆志共同代表(沖縄大学教授)が、「協同労働とみんなのおうちを県内に広げながら、持続可能な地域づくりをみなさんと進めたい」と締めくくりました。

 懇親会には、喜友名智子県議(立憲民主沖縄県連代表)も駆けつけ、「『よりみん』のような協同労働による地域の居場所づくりを今後も応援していく。知事や副知事などにも視察を働きかけ、県の振興策に労働者協同組合を位置付けたい」と期待を寄せました。

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 おから味噌床は1個500グラム、千円(税込)。購入に関する問い合わせは、沖縄事業所(098・987・6966)まで。