第102回「国際協同組合デー記念中央集会 労協コモンウェーブが事例報告

本紙 福本

 一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA)は、「協同組合はすべての人によりよい未来を築きます」をテーマに第102回国際協同組合デー記念中央集会を、こくみん共済coopホール(東京・渋谷)で7月9日に開催し、オンラインと合わせ296人が参加。2度目の国際協同組合年(IYC)を来年に控え、地域社会に根ざした取り組みなど、モデルケースの取り組み報告に耳を傾け、参加者で共有しました。(本紙 福本)

会場参加者は155人

価値あるIYCに

 JCAの山野徹会長(JA中央会会長)があいさつ。「IYCを価値あるものとするため、協同組合のアイデンティティやSDGsへの貢献などを国内外の事例から学び合おう」と呼びかけました。

 全国労働者共済生活協同組合連合会の打越秋一理事長が祝辞、国際協同組合同盟(ICA)のアリエル・グアルコ会長からもビデオメッセージが届きました。

 JCAの前田健喜CI・国際・研究チーム部長は、協同組合のアイデンティティに関する世界的協議の状況とJCAの提言を報告しました。

“SEWA”紹介も

 協同組合のアイデンティティを実践する3つの「事例報告」が行われ、労働者協同組合コモンウェーブ(三重県鈴鹿市、放課後等デイサービスや子どもの居場所など)の山浦久美子代表理事が「協同労働による地域共生社会への試み」と題して報告。

 「学校に通えなくなった子どもたちの自己肯定感の低下→社会的孤立→さらなる自己肯定感の低下という悪循環を断ち切る思いで、組織の持続可能性、共有財化が期待できる労働者協同組合を選択した。誰かの困ったをみんなで支える、お互い様の気持ちで助け合える地域社会を目指している。地域の困りごとを解決しながら、雇用も創出するのが協同労働。話し合いを最も大事にしている」とし、月1000円から始められる「ぽかぽかサポーター」という寄付制度を始めたことも紹介。「29人、1団体の支援者を得た。いろいろ協力を打診されるケースや、放デイの利用者も増え、地域を良くする仲間づくりも進んでいる」と強調しました。

 続いて、ワーカーズコープ連合会事務局長でCICOPA︲AP(産業労働者・熟練工業者・サービス生産者協同組合国際機構 アジア・太平洋地域)の代表でもある中野理さんがインドのSEWA(自営女性協会、労働組合)を紹介し、「厳しい状況に置かれた女性労働者たちを支援していくには、労働組合と協同組合が手を携えることが重要」と、現地のビデオ映像を交えながら解説しました。

中野さん

 生活クラブ連合会の伊藤由理子顧問も登壇しました。

話し合いに関心集中

 この後のグループ討議では、登壇者の報告をもとに感想などを共有し、山浦さんの発言に対し、「話し合いの重視は難しいと思うが、意見を出してもらう工夫は?」「事業収入はどうやって上げるのか?」「みんなが『4時間かかっても楽しかった』と感じている話し合いのヒケツは?」など、質問が集中。

 山浦さんは、話し合いについては、「全員の趣味や強み、好きなこと苦手なこと、リラックス法、大事にしていることなどをみんなが把握。そのことが安心感につながり、意見も出る」「否定しない・さえぎらない・折り合いをつける努力・決まらなければ次回に持ち越す・決めたことを実行する努力を心掛けている」と回答しました。

山浦さん

IYC2025へ

「全国実行委員会」立ち上げ

 JCAは7月9日、来年の国際協同組合年(IYC2025)に向けた「全国実行委員会」を立ち上げ、第1回委員会をTKPカンファレンスセンター(東京・新宿)で開催。今後の進め方や規約、予算・会費の考え方などを決めました。実行委員会はワーカーズコープ連合会を含む、各協同組合の連合会など37組織の代表で構成。

 代表に選ばれた山野徹JA中央会会長は、「持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた協同組合の取り組み、とりわけ持続可能な地域社会をつくる日本の協同組合の取り組みをさらに進め、協同組合の認知を高める絶好の機会と捉えよう」と呼びかけました。