韓国・ヨジュ地域自活センター職員と交流 「決まりごとにとらわれることなく活動を」
韓国・京畿道(キョンギト)ヨジュ市で活動する、ヨジュ地域自活センター(以下、ヨジュ自活)の職員11人が7月8日、労協ワーカーズコープ・センター事業団九州事業本部を訪れ、取り組みを交流しました。(直鞍事業所長/ワーカーズコープ連合会海外連携推進部 友岡有希)
センター・九州事業本部
地域自活センターとは、生活保護受給者や生活困窮者を対象に、職業訓練などを通じて社会参加と経済的自立を支援する施設。韓国国内に約250カ所あります。
ヨジュ自活のみなさんは、センター事業団の実践に学ぼうと来日。7年前にも東京中央、神奈川両事業本部の現場を訪れたことがあります。
また、ワーカーズコープ連合会は、地域自活センターの全国組織「韓国地域自活センター協会」と20年以上の交流があります。
高齢者の雇用創出事業にも
交流会では、ワーカーズコープ連合会海外連携推進部の中野理部長が日本の協同組合や労働者協同組合法、労協法施行後の労働者協同組合の設立状況などを説明し、センター事業団竹森鉄専務理事が九州・沖縄地域での取り組みを紹介。
岡元ルミ子副本部長は、自らが仲間と立ち上げた鹿児島県霧島市の国分ほのぼの(訪問介護、学童、放課後等デイサービスなど)の歴史や、ほのぼの食堂(子ども食堂)などの地域での実践を話しました。
ヨジュ自活からは、日本の大学に留学していたことがある、パク・ムンシンセンター長が日本語で活動を説明。

地域自活センターは自治体の委託で運営されており、生活保護受給者や生活困窮者の職業訓練の場として、観光施設やコンビニ、アウトレットモールのフードコートでの飲食店運営、大豆を始め、各種農産物の生産も行っているそうです。
これらの事業に従事する人は約80人で、フードコートの飲食事業は、韓国でフランチャイズ形式で店舗展開をしている「労働者協同組合ハッピーブリッジ」との業務提携です。
自活事業以外にも自治体から高齢者雇用促進事業を受託し、高齢者の就労や交流の場づくりにも力を入れており、「高齢者の雇用創出事業には約120人が働いている。新規事業の開発にも積極的に取り組んでいる」と強調しました。
経済的な自立だけでなく孤立防止も役割
意見交換では、ヨジュ自活のキム・ソンオク室長が、「韓国では、2000年に国民基礎生活保障法が成立し、自活事業が制度化。私はこの事業に長く携わってきたが、今までやれていたことが制度化によって自由にできない部分も出た。決まりごとに囚われることなく、みなさんのよさを失わずに今後も活動を続けてほしい」と私たちを激励。
韓国の地域自活センターでも、一定期間の中で成果を求められることや自立が難しい利用者への対応など、日本の若者サポステや就労支援の現場で聞かれる悩みや課題と共通するものがたくさんあり、活発なやり取りが交わされ、パクセンター長の、「利用者一人ひとりが経済的に自立をすることは簡単なことではないが、自活事業は福祉政策として運営されているので、経済的な自立だけでなく利用者が社会で孤立しないような活動の場としての役割も重要」という言葉が印象に残りました。
また、「子ども食堂を始める予定」という自活センターの職員が、岡元さんにアドバイスを求める場面もありました。
九州事業本部では、事業運動に結びつけてオーガニック給食を広げようと考えており、実践が進む韓国への視察を検討中。
ヨジュ市がある京畿道は、オーガニック給食に関する条例が制定されており、オーガニック野菜の生産・加工にも力を入れていると、自活センターの皆さんが教えてくれました。
その後の懇親会でさらに交流を深め、ヨジュでの再会を約束しました。
