宮城・大崎 田尻地福が2カ所目の放デイ「といろ」 地域からの声に、気持ちに火がつき立ち上げへ

副所長 堀 夏槻

 宮城県大崎市の労協ワーカーズコープ・センター事業団田尻地域福祉事業所は、10月から放課後等デイサービス「といろ」の運営を開始しています。その開所式を10月27日に行いました。「あぐりきっず」に続き、2カ所目の放課後等デイサービスです。(副所長 堀 夏槻)

みんな違ってみんなマルな居場所

伊藤市長も駆けつけ激励

 開所式には、伊藤康志大崎市長を始め、大崎市議や「あぐりきっず」「といろ」を利用する児童と保護者、ワーカーズコープの組合員など約50人が参加しました。

 伊藤大崎市長からは期待を込めたあいさつがあり、保護者代表からも「あぐりきっずを利用して本当に良かった。職員の方々が娘やほかの子どもたちに合わせた支援をしてくれていて、心から感謝しています」と、励みになる言葉をいただきました。

 この日のメインイベントは、子どもたちが制作した「といろ」の看板のお披露目。

放デイを利用する子どもたちが看板を制作。開所式で披露された


 子どもたちは緊張しながらも、「みんな違ってみんなマル」「これからといろをよろしくお願いいたします」など、大きな声で一言ずつあいさつ。参加者から拍手と共に「素晴らしかった」との声が上がりました。

 矢吹みゆき所長が、「立ち上げは一人では難しく、仲間の大切さを感じた。子どもたちもそうだが、職員もそれぞれの意見を持ち、協力して進んでいきたい」と決意を表明しました。

活動紹介の映像をバックにあいさつする矢吹所長


 続く内覧会では、保護者同士が交流する場面も多く、「保護者会のような交流できる場をつくって」の要望も聞かれました。

分かってはいたが、一歩踏み出せず

 田尻地福が最初の放デイ「あぐりきっず」を立ち上げたのは2017年。

 最初は利用児童が増えずに赤字が続きましたが、周囲の豊かな自然を活かした遊びや体験を重視していることを発信。その結果、少しずつ利用者が増え、登録児童も20人の定員いっぱいに。

 経営も改善しました。

 一方で、新規の利用希望者を受け入れることができず、私たちも「もう一つ立ち上げななければ」「次(の事業所)を作らなければ」と言いながらも、日々の業務に追われ、なかなか一歩が踏み出せずに2年ほどが経過。

保護者らがおもちゃや絵本を寄付

 今年に入ると、保健師や相談支援事業所からの受け入れ照会が増え、「2カ所目は作らないのか」といった問い合わせが寄せられるようになりました。

 さすがにあぐりきっずのスタッフも「このままではまずい」「新しい放デイを立ち上げるべきでは」と気持ちに火がつき、まずはニーズを調べようと保護者にアンケートを実施。ほとんどの方が立ち上げを望んでいたことから、「10月には絶対立ち上げよう」と準備を始めました。4月のことです。

 物件探しには難航しましたが、あぐりきっず近くの空き家を借りることができ、保護者に2カ所目の開設を伝えると、おもちゃや絵本の寄付が集まり、おもちゃは一つも購入せずに済みました。保護者の皆さんには大変助けられました。

「といろ」の外観。あぐりきっずの近くの民家を借りて開所

上映会で知り合った民生委員から「見学を」

 8月に大崎市であった映画「医師中村哲 仕事・働くということ」上映会で知り合った民生委員から、「といろを民生委員の仲間で見学したい」という申し出がありました。さらに、といろのある地域の区長にあいさつに行くと、「映画会であったね」と。

 このつながりも今後活かしていけたらと思っています。

立ち上げ会議を重ね、経営も考えるように

 これまで利用児童が多く、正直、一人ひとりに目が行き届かない時もありましたが、「といろ」の開所でゆとりができ、よりきめ細かな支援が可能になりました。下期は療育の質の向上に力を入れていこうと仲間と話し合っています。

 「といろ」の名称には、それぞれの良さが混ざり合う素敵な放デイになってほしいとの思いが込められています。「みんな違ってみんなマル」を合言葉に、子どもたちが自分のペースで成長できるよう、一人ひとりに寄り添い、特性や興味を尊重した支援を心がけていきます。

 今回立ち上げ会議を重ねることで、組合員一人ひとりがわからないことをざっくばらんに聞けるようになり、少しずつ経営を考えられるように。立ち上げには多くの困難がありましたが、地域の方々にもワーカーズの存在を知ってもらうよい機会となりました。