高齢協、労協などでつくる 推進ネット阪神が学習会 「女性にとっての協同労働」テーマに
大阪府、兵庫県で協同労働に共感する人たちや実践団体が集まる「協同労働推進ネットワーク阪神」(協同ネット阪神)は、学習会「女性にとっての働くこと、協同労働とは?」を10月17日、大阪市・NLC新大阪8号館で開催。会場とオンライン合わせて20人が参加しました。(本紙 炭谷)
労協の半数は女性が代表理事
協同ネット阪神代表の高橋弘幸さん(労協ワーカーズコープ・センター事業団関西事業本部長)が、「労働者協同組合法の施行から2年が経ち、この間100を超える団体が誕生したが、その半数は女性が代表理事。このことは、女性が参加しやすい組織形態の表れとも言えるが、性別に関わりなく働きやすい、あるいは誰もが暮らしやすい社会づくりに向けて、事例を通じて議論が深めたい」とあいさつしました。
生活環境に配慮し、できる人ができることを
大阪市職業リハビリテーションセンター所長の酒井京子さんをコーディネーターにパネルディスカッション。
箕面(みのお)市障害者共働作業所たんぽぽ・ちまちま工房代表の永田千砂さん、生協コープ自然派の組合員が立ち上げた、労働者協同組合and(アンド)代表理事の清水直子さん、メディア作りを柱にした10代の子たちの居場所を運営する、労協こども編集部代表理事の金井智美さんが、協同労働との出会いや法人設立の経緯、現況を紹介。

仕事と家庭の両立について、子ども編集部の金井さんは「設立メンバーの10人は全員40代で、仕事と子どもを持つ女性。労協を選んだ理由は、フラットな関係の中でみんなで主体的に運営し、 地域に貢献するような団体にしたいという思いから。お互いの生活環境に配慮しながら『できる人ができることをする』をモットーに活動しているので業務に追われることなく、生活の一部に活動があるという感じ」と実感を。
高橋さんは、「現状では、『仕事を生活の一部に』という発想は、多くの男性には持ちにくいし、家庭においても古い男女の役割観がまだ残っている。フラットな関係でやっていける職場が広がれば、男性も女性も互いに協力し合える家庭や地域が形成されていくのではないか」と、子育中の経験を踏まえコメントしました。
めちゃめちゃおもろい働き方
最初は熱が出そうになった(笑)
後半は、女性や障害のある人など働きづらさを抱えた人にとっての働きやすい職場づくりが話題に。
永田さんは、社会人になって1年間一般企業の営業職を務め、その後、豊能(とよの)障害者労働センターに転職し協同労働に遭遇。その時の経験をこう振り返りました。
「営業職の時は男女の役割を押し付けられたり不平等を感じたりしていたが、仕方ないと受け入れていた。けれど、障害者労働センターでは、会議は全員参加で、その人がいないところでその人に関することを決めない、稼ぎは全員で分配するというルールがあった。雇用労働に慣れていたので、そういう行動綱領に戸惑い、最初は熱がでそうになった(笑)。でも、仕方ないなって思うことも含めて会議で話をするし、『はまらんな』と思うことがあっても、性別や年齢、障害の有無にかかわらず、一緒に話ができるステージを取り戻そうとみんなが努力する。『賃金上げろー』と文句を言っても、ブーメランみたいに全部自分に返ってくる厳しさもあるが、全員がツライチ(面と向き合うこと)で対等に働く協同労働の豊かさは、私はめちゃめちゃおもろいと思う」
酒井さんは、「自分が『ここにいてもいい』と思える場所はとても大事。今の社会は働く人が、仕事や会社に自分を合わせなければならず、そのことでしんどさを感じる人も多い。協同労働にも厳しさや雇用労働とは異なるストレスもあるが、自分らしい働き方ができることが、協同労働、労働者協同組合の魅力ではないか」とコメントしました。

質疑では、「家庭の都合で外で働くことが難しく、在宅で仕事をしているが、家事と仕事のメリハリの付け方は?」「労協の立ち上げに関する相談を受けている。『年収の壁』や夫の理解が得られず、組合員にはなれないけれどもボランティアで関わりたいという相談を時々受けるが、どのように対応しているのか?」などの質問が寄せられ、協同ネット事務局の田代明さん(センター事業団関西事業本部)がまとめました。
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協同ネット阪神は、大阪高齢者生活協同組合、センター事業団関西事業本部、労協はんしんワーカーズコープなどの4団体、個人10人で構成。2023年3月設立。