北海道 厚真町で重層事業学ぶ講演会 関心高く胆振管内全体から参加

日胆まちづくり地域福祉事業所所長代行 田中圭介

 労協ワーカーズコープ・センター事業団苫小牧まちづくり地域福祉事業所は、厚生労働省で生活困窮者自立支援法などに関わった社会福祉法人雄勝なごみ会(秋田県湯沢市)の佐藤博理事長を講師に、「つながり、気づき、支え合うまちづくり 地域共生社会講演会」を、北海道厚真(あつま)町総合福祉センターで11月15日に開催。会場に30人、オンラインで18人が参加しました。(日胆まちづくり地域福祉事業所所長代行 田中圭介)

 苫小牧まちづくり地福は一昨年から、厚真町で重層的支援体制整備事業(重層事業)の自立相談支援・生活困窮者等のための地域づくり事業「みんなのおうち厚真」に取り組んでいます。

 今回の講演会は、重層事業に期待されることや、地域で活用していくための具体的な方法について、行政や地域の支援者と共に学ぼうと開催しました。

 町内だけでなく、胆振(いぶり)支庁管内全体からの参加者があり、重層事業への関心の高さがうかがえました。

模擬支援会議も

 講演会前半では、佐藤理事長が、生活困窮者自立支援法から地域共生社会を見据えた重層事業までの政策立案の背景をわかりやすく説明。

 「縦割りの法の下、これまでの制度では適切な支援にたどり着けない人が増えていくばかり。包括的支援だけではなく、重層的に取り組める事業が必要なことが明確になり、課題が複雑に絡み合ったケースに対応できるように重層事業が作られた」と話しました。

 「まずは受け止め、地域で『気づき』、地域の支援に『つながる』」という佐藤さんの言葉に、取り組みに必要なことを理解できました。

 後半には、模擬会議も。重層事業での「支援会議」(対象者の同意を得ないもの)と「重層的支援会議」(同意を得ているもの)を、高齢の両親と精神疾患を抱えている長女、就労している障害のある長男の4人世帯の事例でロールプレイ。

演会の後半には、「支援会議」のロールプレイも

 父親は入院中で、世帯は困窮しており母親が家計のやりくりをしています。長女は以前父親から性的虐待を受けており、希死念慮など精神的に不安定で入院中。今後の生活をどのようにしていけばよいかを支援者で考えました。

 実際のケースでどのように会議を運営していくのか、それによってどのような効果が得られるのかを具体的に考えることができました。

 重層事業を活用することで、多機関連携、地域力の活用などが、これまで手の届かなかった人に支援を届ける要となり、地域全体の支援の力を高めることが期待できました。