福井県の労協第2号設立 チャイルドセンター彩葉 子どもたちの生きる力、夢育む居場所を

ワーカーズコープ・センター事業団北陸信越事業本部事務局長 清水武徳

 放課後等デイサービスや子どもたちの居場所づくりを目指す、「労働者協同組合チャイルドセンター彩葉(いろは)」が福井県鯖江(さばえ)市で立ち上がりました。11月16日に鯖江市の一般社団法人「つくろお日さまの杜」で開かれた設立総会には、発起人や役員予定者、加入を検討している人、自治体の労協担当職員などが集まりました。彩葉は、「労協りたねっと」に続く、福井県で2番目の労協です。(ワーカーズコープ・センター事業団北陸信越事業本部事務局長 清水武徳)

「彩葉」の皆さん。中央が代表理事の青竹さん

 設立総会では、発起人代表の青竹勝さん(お日さまの杜代表理事)が議案説明。定款や収支予算をはじめ、放課後等デイサービスの立ち上げや子どもの居場所、子ども食堂の実施などを含む事業計画案を提案しました。

 全議案が承認され、代表理事の青竹さんを含む理事4人を選出。

 あいさつに立った理事の一人、田中晴美さんは、「一人ひとりが主人公として働ける労働者協同組合に共感している。職員も利用する子どもたちも対等な関係で運営していきたいし、この思いが子どもたちにも伝わっていってほしい」と話しました。

学齢期にさまざまな体験や学びを

 代表理事に就任した青竹勝さんは元システムエンジニア。東京の通信会社で20年以上働いていましたが、40代の頃に参加したボランティア活動をきっかけに障害者福祉の道に。49歳で故郷の鯖江市に戻り、県内の福祉施設で経験を積み、2020年にお日さまの杜を立ち上げました。青竹さんは労働者協同組合を知っており、労協法人での立ち上げを考えましたが、当時は法律がなく断念。

 お日さまの杜では就労継続支援B型事業をはじめ、不登校の子どもを対象にしたプログラミング教室や、日中一時支援事業、児童養護施設を出た若者たちの就労支援などを行っています。

 その中で、学校にあまり通えなかったり、問題のある家庭環境で育ったりしたことで、自分は価値のない人間だと思い込み、失敗を恐れて困難に立ち向かうことを避けたり、将来への夢を持つことを諦めてしまう子どもや若者が少なからずいることに気づき、子どもや若者がさまざまな体験や学びを通じて安心して過ごし、生きる力と夢を育むことができるような放デイや居場所を作ろうと決意しました。半年前のことです。

労協コモンウェーブも視察

 「労協法にある意見反映原則は、福祉事業をより適切に運営する上で不可欠なもの。組織と人、人と人がお互いを認め合い、対等で風通しがよい関係性は、子どもや若者、働く職員(組合員)も、自分の人生を生きる上でも土台になる」と、新たな事業は労協で立ち上げることにしました。

 構想を説明すると、他事業所の障害支援相談員や保育士が参加することになり、お日さまの杜の職員からも、メンバーになる人が現れました。

 県内で開かれた労協法セミナーに参加し、放デイやフリースクールを運営する、三重県鈴鹿市の労協コモンウェーブも視察。労協のことや協同労働による放デイの運営を学んできました。

第三の居場所、子ども食堂も

彩葉という名称は、その人が持つそれぞれの彩り(ありのままの自分)を尊重したいという思いと、物事の最初を意味する「いろは」を掛けたもの。これから人生に踏み出していく子どもの時期を大切にしたいという願いを込めました。

 計画中の放デイ「みらくる」は、来年4月に開所予定。青竹さんは、子ども第三の居場所や多様な学びを実践するフリースクール的な事業、子ども食堂にも取り組んでいきたい」と意気込んでいます。