日本協同組合連携機構  協同組合の地域共生フォーラム 災害復旧・復興の取り組み共有 

本紙 本田真智子

 第6回「協同組合の地域共生フォーラム」(日本協同組合連携機構(JCA)実行委員会主催)が、11月30日にオンラインで開かれ約220人が参加。能登半島地震、能登や秋田、熊本などの水害など頻発する自然災害に、協同組合が多様な形で復旧・復興の取り組みを行っていることを共有しようと、「災害をめぐる協同組合の役割と連携のチカラ~暮らし続けられる地域づくりのために~」をテーマにしました。ワーカーズコープ連合会から労協センター事業団亘理事業所(宮城県)所長の大久保千絵美さんが登壇しました。(本紙 本田真智子)

大久保さんが報告。まず、普段の事業所の様子を映像で紹介

宮城・亘理大久保所長が登壇

 JCA代表理事専務の比嘉政浩さんが、「異なった種類の協同組合が連携・協力をすれば今まで以上に地域の課題解決に貢献できることに確信を持っている」と開会あいさつ。

JA石川も報告

 石川県農業協同組合中央会の吉田諭さんが、元日の震災と9月の豪雨被害に対して、JAグループを中心にした取り組みと今後の課題について報告。隆起によって農地にできた2メートルの崖や、千枚田に走った亀裂の写真も見せながら、「時間が経つほど報道が少なくなり現場の苦悩が伝わらない状況に。地域の祭りやイベントなどにも影響があり、衰退が危惧される。能登の経済と暮らしの基盤は、第一次産業によって支えられてきた。これを維持、継続していかなければ。県内の協同組合間連携で防災などの学習会を開いていく」。

JA石川県中央会の皆さんはオンラインで参加。前列右端が吉田さん

日頃の連携が活きる

 導入として、日本生活協同組合連合会元会長の浅田克己さんが、コープ神戸で働いている時に起きた阪神・淡路大震災での生協の支援や、全国の生協や多様な団体の支援活動について紹介。「震災前に、神戸市と『緊急時における生活物資確保に関する協定』を結んでいたので、これが大きな役割を果たした。支援に来てこれを知った全国の生協が、行政と災害支援の協定を結ぶ動きが広がった。また、各協同組合が災害時にもっと連携できるように、日頃からの連携が大切だ」と指摘しました。

生活再建に農ボラ

 実践報告では、愛知県厚生連江南厚生病院の石黒秀典さんが「能登半島地震における災害派遣医療チーム(DMAT)の活動報告と教訓・課題」を。今後に備えて「地域の特性に合わせた災害対応」「被災地支援者を受け入れやすい環境づくり」「BCPを作る中で、設備・被害想定の把握」などを挙げました。
 
 長野県生活協同組合連合会の中谷(なかたに)隆秀さんは「平時からの『災害支援団体のネットワークづくり』と19年台風19号災害の取り組み」について。交流会を通じて長野県災害時支援ネットワークを立ち上げて定期的に話し合っていたことが、台風19号災害の時に活きたそうです。その連携のレベルが落ちないように、今も交流を続けていると言います。さらに、被災したりんご農家の生活再建のためにりんご畑の泥かきを、農協、生協、社協、NPOの連携で取り組んだ「農ボラ(農業ボランティア)」の活動なども報告。

助けてと言える勇気

 亘理事業所の大久保さんは、「住民の力と地域とのつながりを大切にした 被災地での仕事づくり・まちづくり」として、東日本大震災後の仕事おこしと、社会連帯活動を通じた地域でのつながりづくりを話し、「日頃から育んできた地域とのつながりが、災害を乗り越えるために最も力を発揮した。そして、地域の人たちに助けてほしいと言える勇気と信頼、関係性の大切さを学んだ」と結びました。

 JAふくしま未来 の吉田雅俊さんは、「震災復興と市町村との包括連携協定による持続可能な地域づくり」について話しました。

 その後、分散会で感想や今後地域でやりたいことなどを共有。

 日本文化厚生農業協同組合連合の西田健二さんが「来年はいよいよ国際協同組合年。災害に備えた平時からのネットワークづくりや、災害時の協同組合同士の連携、助け合いも再確認できる年に」とまとめました。