青森・八戸 東北社会連帯 渡邊さん講師に飯舘村復興フォーラム いいたて雪っ娘かぼちゃ栽培に向け
日本社会連帯機構東北地方委員会は、福島・飯舘村復興フォーラムin八戸(はちのへ)「東日本大震災から13年。ふくしまの今を知る」を11月16日に青森県八戸市の長者公民館で行い、飯舘村で「いいたて雪っ娘(こ)かぼちゃ」の種を守り育てている渡邊とみ子さんが講演。参加した35人は渡邊さんの話に、頷いたり、驚きの声を上げたりしながら聞き入っていました。(労協ワーカーズコープ・センター事業団八戸・階上(はしかみ)地域福祉事業所所長 工藤克祥)

このフォーラムは、「いいたて雪っ娘かぼちゃ」の栽培を通して、東北社連が福島被災地につながることを検討していたことから、まずは「ふくしまの今を語る人」として活動する渡邊さんの話を聞き、仲間に栽培への賛同を求めるために企画しました。
村の特産品目指し
フォーラムの1部では、「ふくしまの今を語る人運営事務局」の千葉和也さんが、福島県の現状、復興の状況などを紹介。改めて震災、原発事故によって起こった甚大な被害を振り返り、震災から13年経った今も立ち入ることができない地域があるといった厳しい現実も。
続いて、渡邊さんが「あきらめない心で目標に向かう~田舎のかーちゃんの挑戦~」と題して講演。
いいたて雪っ娘かぼちゃは、飯舘村の特産品を目指し、品種改良を経て生まれたもの。
05年6月の「いいたて雪っ娘かぼちゃプロジェクト協議会」発足から、「世界に誇れる品種を世に出したい」といいたて雪っ娘の栽培や加工、商品開発、普及にまい進してきたことを紹介。
いいたて雪っ娘かぼちゃの品質が高く評価され、2011年に新種登録が認められました。しかし、その直後に東日本大震災が起こり、福島第一原発事故により飯館村は全村避難を余儀なくされました。
渡邊さんは村の復興のために「産品を作りたい」と、避難先の福島市でいいたて雪っ娘かぼちゃの栽培に着手。震災直後の5月に蒔(ま)かれた種は、「奇跡の種」と呼ばれるようになりました。
あきらめないことに
大震災、放射能汚染、住民が避難し荒れ果てた農地、バラバラになった仲間、全てを投げ出してもおかしくない状況の中、渡邊さんは「あきらめないことにしたの」と、できることに取り組み続けました。その結果、避難解除された飯舘村でも栽培し、新しい商品を開発しながら各地で販売も。
さらに、いいたて雪っ娘かぼちゃの栽培は、渡邊さんの取り組みに共感した人たちにより全国に広がっています。
2部では杉田商会代表の杉田大(ふとし)さん(労協ワーカーズコープ・センター事業団東京統括本部)と、飯舘村ゲストハウスCOCODA代表の大澤和巳さんも発言。その後、渡邊さん、杉田さん、日本社会連帯機構理事の池田道明さんがトークセッションで、福島の復興にどのように関われるかを考えました。

参加者からは、「データに基づく現状や、実践者による活動をよく知ることができた」「放射線量検査の厳しさや、その結果を初めて知った」「おいしく、安全な食べ物が作られているということを周囲にも伝えたい」という感想がありました。
4~5月から栽培
東北社連では、来年4~5月からいいたて雪っ娘かぼちゃの栽培を始める予定。
フォーラムを経て、改めていいたて雪っ娘かぼちゃの理解を深める必要があると、栽培開始までに、東北で小農に取り組み、栽培を行う見込みの現場、組合員に対して渡邊さんを招いての説明会などの実施を検討しています。