社会連帯機構20周年記念式典・定時総会 地域連帯から新しい日本を 今、ここに、共に、生きる社会目指して

本紙 炭谷

 2024年12月に設立20周年を迎えた一般社団法人日本社会連帯機構は、記念式典と第15回定時総会を12月14、15日に東京銀座・紙パルプ会館で開催。記念式典には230人、総会には223人が参加し(いずれもオンライン含む)、さらなる飛躍への決意を新たにしました。(本紙 炭谷)

会場参加者が集合写真。「これからが本格的な運動の幕開け」

 

ノーベル平和賞 日本被団協

田中代表委員も祝辞

 14日の記念式典は、20年の歩みを振り返る映像で幕開け。

 永戸祐三代表理事が開会あいさつ。

田中さん

 「社会連帯機構は設立から20年を迎え、『地域社連づくり』の時代に入る」と強調し、「『今、ここに、共に、生きる』とは東京大学名誉教授の水島司さんの言葉。『今、ここ』という足元に生きる自分は、あなたと心をすり合わせないと生きていけない。このことを、多くの人たちがはっきりと認識した時、世の中は大きく変化・発展していくだろう」と語りました。

 来賓として、日本被団協田中熙巳(てるみ)代表委員(録画)、NPO法人銀座ミツバチプロジェクト田中惇夫副理事長、㈱日本共同システム佐々木郁夫社長から祝辞があり、田中熙巳さんは「活動が認められノーベル平和賞を受賞することになったが、核兵器による被害の実態はまだまだ知られていない。このままでは核兵器で人類は自滅してしまう」と危機感を示しました。

労協法ある今 本格的な運動の幕開け

「豊かなシマに学ぶことは多い」

 NPO法人離島経済新聞社の代表理事で統括編集長の鯨本(いさもと)あつこさんが「離島から考えるこれからの社会と自治・協同」と題して記念講演。

鯨本さん

 自身の活動について、「日本には1万4千の島があり、そのうち有人島は420。それぞれの島には多様な文化や自然がある。こうした島の宝を未来につなぐことをミッションに活動している」と紹介。

 「島には『助けて』と言える支え合いや、お金を介さない、しなやかな経済が循環している。離島は、『豊かなシマ』(コミュニティ)の先端地域。どの地域でも問題になっている人口減少や気候変動、災害などへの対応策や生き抜くヒントがあり、私たちが学ぶべきことは多い。集落に足りないものを自分たちで作ろうという意識は、皆さんの社会連帯活動に通じるものがあるのではないか」と語りました。

「行動を起こす最後のチャンスが今」

 記念鼎談「今、何故、社会連帯なのか」では、鯨本さんとノンフィクション作家の島村菜津さん、永戸代表理事が登壇。

島村さん

 島村さんは、イタリアのスローフード運動に触れながら、「以前の経済成長期や人口最盛期を懐かしんでいても、今の課題は解決できない。持続可能な社会を築くためには、地域の資源や人々のつながりをもう一度見直し、再構築する必要がある。今が行動を起こす最後のチャンス」と警鐘を鳴らしました。

 長年にわたる社会連帯機構への貢献に感謝を込めて、元日本労協連理事長の古谷直道さんと一般社団法人ポールdeウォーク推進協議会常務理事の木谷道宣さん、映画「医師 中村哲の仕事・働くということ」監督の谷津賢二さんに感謝状が送られました。

感謝状が贈られた古谷さん(左)と木谷さん(右)

 山本幸司副理事長が、「これまでの20年はいわば助走期間。労働者協同組合法が施行され、これからが本当の社連運動の幕開け。私たちの運動の根っこにあるのは平和︲命の尊厳への願い。この思いを根幹に据えて共にがんばろう」とまとめました。

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 桶川市小野克典市長より祝電があり、式典開始前に、映画「医師 中村哲の仕事・働くということ」上映会を開催。終了後には、記念祝賀会が開かれました。

法第一条のモデル労協に「地域社連づくり」の時代

永戸代表あいさつ

 1987年12月にセンター事業団は設立されたが、自分の事業・経営だけが取り組みのすべてだとなったら、その組織は終わる。

 どこまでも地域や社会のために存在する組織となるためにどうするか。地域との結びつきを組織的・構造的につくることによって、センター事業団の新しい発展の流れができるのではないかと考え、社会連帯機構(発足当初は社会連帯委員会)を設立した。

 労働者協同組合法が成立し、第一条で、地域の持続と活力に資するのが労協であると明確に示された今、センター事業団がそのモデルたる存在になりうるのか。これが、社会連帯機構20周年に込められた1つの重要な意味だ。

 世界は戦争を止められず、政治は金にまみれ、我々に諦めを強いる。しかし、耐えがたい世界の流れに抗し、本当に人間らしい生き方、人間が人間として存在できる地域を問い続ける人々の意識は、 否応なく高まっている。

 地域に暮らす市民らが社会連帯を掲げ、「地域連帯から日本社会をつくり直そう、新しい日本をつくろう」という大きな流れをどうつくるのかが、いよいよ中心テーマになる時期を迎えた。つまり、「地域社連づくり」の時代に入るということだ。