映画 「医師 中村哲の仕事・働くということ」 山口3市 3日連続、参加者1300人超
今回は、山口県岩国市、下関市、光市で開かれた上映会の報告です。
山口県では初となる映画「医師 中村哲の仕事・働くということ」上映会が岩国市(1月24日)、下関市(25日)、光市(26日)と3日連続で開催され、1300人を超える人たちが鑑賞しました。取り組んだ労協ワーカーズコープ・センター事業団と労働者協同組合ワーカーズコープ山口からの報告です。
光
ワーカーズコープ山口が開催、500人鑑賞
「田んぼ手伝いたい」の申し出も
意見まとまらないこともあるが、自慢の事業所
労働者協同組合ワーカーズコープ山口(WC山口)は、光市民ホールで上映会を開催。市社会福祉協議会が後援しました。
2回の上映で500人が鑑賞し、ほぼ満席。高齢者や小さな子ども連れの家族、高校生の友だち同士での来場も見られました。
末永一博理事長が「タイトルは『仕事・働く』だが、『生きる』ということも皆さんと分かち合いたい」と、主催者あいさつ。
アフタートークでは、日本社会連帯機構の藤田徹専務理事が、中村哲さんとの出会いやその後のアフガニスタンの状況などを紹介。

WC山口について、放課後等デイサービス担当の堤典子理事が下松(くだまつ)市での「児童デイすだっち」の立ち上げ経緯や活動を、寺田孝子理事が「みんなでつくってみんなで食べる田んぼ」を地域課題解決の活動としていることなどを話し、協同労働については「最初は分からなかったが、みんなで決めてみんなで働く職場で働きやすい。困りごとがあれば連絡を」(寺田理事)、「意見がまとまらないこともあるけれど自慢の事業所。自分たちで決めるので不安しかない(笑)」(堤理事)と。
さらに、「仕事を起こし、労協法人を設立して仲間になりませんか」と呼びかけました。
「うちの団体と情報交換を……」の声
アンケートには「アフタートークで映画の感動が半減した」「ワーカーズの宣伝では」などの厳しい意見がある一方で、「ぜひ多くの子どもたちに見せたい」「ワーカーズという団体を初めて知った」「田んぼの取り組みに興味を持った」などのうれしい感想も。
帰り際には、「田んぼづくりを手伝いたい。どうすれば……」や「うちの団体と情報交換をしたい」などと声をかけてくれる人も。
WC山口は昨年、社会連帯機構に団体加入したこともあり、上映会を開催することに。また、WC山口の存在を地域の人々に知ってもらう機会にもしたいと考えました。
告知ではチラシを新聞に折り込んだり、さまざまな掲示板に貼ったり。指定管理者の憩いの家で告知すると、すぐにたくさんの申し込みがありました。
「こんな人出見たことがない」と驚くほどの来場で、受付などを担った組合員は大変だったようですが、私たちの存在を知らせる絶好の機会になりました。(理事 村﨑 忍)
下関
中村先生に学ぶ地域づくり
「一緒に手伝って」などと交流
下関上映会は、福岡県での上映会の時、長周新聞の方から「下関市でも開催してほしい」と言われたことから。集客が不安でしたが、チラシを受け取ってくれた方々の反応を楽しみながら準備に奔走しました。

当日は、多くの人が列をつくり、午前(約280人)、午後(約260人)とも60代から80代の方を中心に参加。
上映後は、「中村先生に学ぶ誰もが参加できる地域づくり」をテーマにアフタートーク。午前は、北九州市や下関市のさまざまな支援活動に携わる人たちのネットワークをつくる目的で発足した「いのちの関門ネッツ」代表、中井淳さんと私(下関きしゃぽっぽ所長)が、午後は、山口宇部事業所の安部(あべ)龍義所長と私で、それぞれの活動や映画の感想を述べ合いました。

中井さんは、「医師の仕事の枠を越え、根本的な課題解決に向けて行動した中村さんの姿に感銘を受けた。私たち一人ひとりは非力でも、みんなでつながればやれることは必ずある」と語り、安部さんは、持続可能な地域づくりに力を発揮する協同労働を動画で説明。農事組合法人からの依頼で年に5回、「草刈り」に取り組んでいることも紹介しました。
理想の地域づくりをぜひ一緒に
私からは、障害のある子どもの親たちと18年前に立ち上げた「きしゃぽっぽ」(児童発達支援、放課後等デイサービス、相談支援)を紹介し、「何もない土地で仲間たちと用水路を作った中村さんと、社会の不条理を感じながらきしゃぽっぽを立ち上げた私たちはどこか似ていて共感できる。ぜひ一緒に理想の地域づくりをしませんか」と呼びかけました。
会場には、市議や地域活動を行う人たち、社会福祉協議会の方なども参加していて名刺も交換。「自分の学校でこの映画を上映したい」と協力を求めてくる先生もいました。
中には、「みかん農園を所有している。手入れができず、土地を半分売ったが、残った土地で農園の再生を考えている。ぜひ除草作業を手伝ってほしい」と懇願してくる人もいて、農家の悩みを実感しました。
終了後、ワーカーズやまちづくりへの関心を聞いたアンケートの回答欄に印を付けてくれた人が50人も。
ワーカーズコープやセンター事業団の紹介にとどまらず、「労働者協同組合を地域に広げて一緒に行動しよう!」と呼びかけることもでき、地域づくりの“種”をまけたと感じています。
後日、医療生協の方から「宇部市でも開催してほしい」と連絡があり、準備を進めます。(下関地福きしゃぽっぽ所長 後山ゆかり)
岩国
戦後80年、米軍基地の地で意義大きく、農業の可能性も感じた
ワーカーズコープ山口と宇部事業所で取り組んだ岩国上映会は、県民文化ホールシンフォニア岩国で。

事前の準備は、地元の新聞やグリーンコープの会員向けの媒体に1万8000枚ほどチラシを折り込んだ他、市のホームページに案内を掲載してもらうよう、慣れない自治体への依頼活動に奔走。上映会の会場には、市教育長の姿もありました。
上映後のアフタートークは、日本社会連帯機構の藤田徹専務理事とワーカーズコープ山口の村﨑忍理事、そして私(山口宇部事業所長)が登壇し、活動内容などを紹介。
映画の鑑賞とアフタートークを踏まえ、参加者を代表して内藤達郎さん(84歳、被爆者。社連主催の広島ツアーのガイド役。旧陸軍被服支廠(ししょう)の保存を願う懇談会事務局長)から「すばらしい映画だった。中村先生の意志を受け継ぐワーカーズコープの頼もしい活動を知り、農業の可能性も感じて元気をもらった。戦後80年、米軍基地のある岩国で上映会を行ったのは有意義だった」との感想をいただきました。(宇部事業所所長 安部龍義)