愛知・わっぱの会 企業組合から 「労働者協同組合わっぱ社会的協同組合」設立 社会的協同組合目指して 対等平等な働き方実現へ
障害のある人とない人が対等平等に働き暮らす社会の実現を目指すわっぱの会(愛知県)は、4月1日に「労働者協同組合わっぱ社会的協同組合」を設立。5日には「設立記念のつどい」が、わっぱの会が名古屋市北区で運営するホール、カフェ、ショップ、相談などの機能を持つ「ソーネおおぞね」で開かれ、会場に約50人が集まり、オンラインでは12のアクセスがありました。協同ではたらくネットワークあいちが共催し、東海4県の労働者協同組合の交流も。わっぱの会が所属する共同連はワーカーズコープ連合会準加盟組織です。(本紙 本田真智子)

一般雇用、福祉的就労でもない「共働」へ
わっぱの会は、1971年に設立。
地域の中で障害者が働いたり暮らしたりできる場所がないのだったら、自分たちの手で作ろうと考えたわっぱの会代表の斎藤縣三さんたちが、アパートを借りて暮らしの場や、倉庫などを借りて一緒に働く場を作ったのが始まりです。

現在は、国産小麦使用・無添加パン「わっぱん」などの食品製造やリサイクル、居住、介助、相談などの多様な仕事を、NPO法人と社会福祉法人、労働者協同組合(企業組合から組織変更)で運営しています。
また、84年には「共同連」を結成しました。
97年にイタリアの社会的協同組合を知り、障害のある人たちを含めて社会的に排除された人たちが対等に働ける働き方を日本でも制度にしたいと取り組んでいます。
今回、①障害者や高齢者をサービスの対象者とするのではなく、共に生き、働く関係の創造、②働くものたちの協同組合から、差別や社会的排除のない、障害のある人や労働・生活に困難を抱えている人たちを含め誰もが共生・協働する協同組合として社会的協同組合へと発展させる、③障害者雇用・就労の劣化を防ぐ、④第三の就労への道として一般雇用でもなく、福祉的就労でもない「協働」を実現する、などを目指し、労働者協同組合を活用することにしました。
「生涯かけ仕事創出を」ヒラヤマさん決意
設立記念のつどいでは、わっぱ社会的協同組合理事長のヒラヤマアキヒトさんが、「私のような手の不自由かつ車いすを使用している障害のある人たちにとって、企業・就労支援事業所問わず仕事を見出せていないのが現状。仕事は単に稼ぐことでなく、社会や企業、組織に貢献したり、自分を成長させたりする要素が詰まっている。私のような障害のある人たちが能力を最大限発揮できる仕事づくりを生涯をかけてやり遂げたい」と決意を披露しました。

斎藤さんが、労協わっぱ社会的協同組合の設立について説明。
組合員15人、事業はパン製造、リサイクル、重度障害者の仕事創出で、事業高は8000万円を予定。わっぱの会のNPO法人と社会福祉法人の事業も順次移行していく考えです。
「今、障害者を取り巻く労働環境は歪んだ状態に。障害のある人たちを使って金儲けをする場がどんどん増えている。それに対して、働くということを正論に戻す必要がある。わっぱの会を立ち上げた時から、共に働くことを大事にし、それを形にする仕組みをつくりたいと思い続けてきた。労働者協同組合をつくることで、みんなが対等な組合員として、力を合わせて働き、成果を分け合うあり方を徹底していきたい」と抱負。
ワーカーズコープ連合会が法制度を目指して「労働者協同組合」を名乗っていたように、わっぱの会も社会的協同組合の法制度を目指して、「わっぱ社会的協同組合」を名乗ることにしたと述べ、「労働(仕事)と生活(暮らし)を結び、共生の地域をつくり出すことが社会的協同組合をつくる意味だ」と力を込めました。
東海4県の労協も
ワーカーズコープ連合会専務理事の田嶋康利さん、ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン代表の藤井恵里さん、参議院議員で協同労働推進議員連盟事務局長の里見隆司さんが来賓あいさつし、東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)の労働者協同組合や労協を目指す9団体が活動紹介。
意見交換では、協同組合研究者で長野県高齢者生協副理事長の田中夏子さんが「イタリアでは、19世紀から労働者協同組合が活動している。しかし、医療従事者と心を病む当事者が対等な関係で運営するには課題があり、対等な関係を目指して社会的協同組合の法制度ができた。法律には排除しないコミュニティがうたわれているが、労働者協同組合の土台の上に社会的協同組合がなぜ必要となったのかを考えたい」とコメント。協同ではたらくネットワークあいち共同代表で、金城学院大学教授の朝倉美江さんが締めました。
引き続き、同所ソーネカフェで懇親会が開かれ、多く人がそのまま参加し、交流を深めました。
